2010 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん化学療法で利用可能なパクリタキセルの有害事象予測因子の探索
Project/Area Number |
22590138
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
賀川 義之 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (90397505)
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Keywords | パクリタキセル / がん化学療法 / 好中球減少症 |
Research Abstract |
本研究では、タキサン系抗がん剤であるパクリタキセルが好中球減少症を引き起こす因子を、外来がん化学療法の普及を考慮した上で明らかにし、好中球減少に起因する敗血症や神経障害等の有害事象の発現を防止・軽減することを目的としている。探索する因子のうち、薬物動態パラメータは外来での治療で入手可能なものを優先して用いる。すなわち、本研究ではパクリタキセル投与後の薬物血中濃度、薬物血中濃度-曲線下面積、薬物代謝に関与する分子種および排泄に関与するP糖タンパク質の遺伝子多型、併用薬などの情報を単独あるいは組み合わせて統計学的手法を用い評価し、好中球減少や神經障害等の有害事象を引き起こす因子を多面的に解析する。 血液中パクリタキセル濃度の測定に逆相系セミミクロ高速液体クロマトグラフィーを用いる方法を開発した。さらにより低濃度の血中濃度測定に対応するため、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)を用いた測定系を構築しつつある。すなわち、C18逆相系カラム、内部標準物質にドセタキセルを用い、エレクトロスプレーイオン化法によりパクリタキセルの質量電荷比(m/z)854→509、内部標準物質ドセタキセルのm/z808→528を検出することにより、数ng/mL以下の検出感度を達成している。これまでの成果をもとに、今年度は血漿検体からのより収率、再現性および操作性に優れたパクリタキセルの抽出法を開発し、LC-MS/MS測定法全体のバリデーションを行い、ヒト血漿中総濃度および蛋白遊離型濃度の測定系を確立する。また、パクリタキセルの体内動態に影響する遺伝子多型の有無を検査し、薬物血中濃度と併せて多面的に解析する。
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