2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヒト血液脳関門細胞株を用いた中枢治療薬の脳移行性予測
Project/Area Number |
22590144
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
出口 芳春 帝京大学, 薬学部, 教授 (40254255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄倉 崇 帝京大学, 薬学部, 准教授 (80326123)
樋口 慧 帝京大学, 薬学部, 助教 (10625304)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血液脳関門 / ヒト細胞株 / トランスポーター / カチオン性薬物 / 脳移行性 / スケールアップ |
Research Abstract |
本研究課題の目的は「ヒト血液脳関門のin vitroモデル細胞(hCMEC/D3細胞)を用いて、カチオン性中枢治療薬の血液脳関門輸送機構を解明するとともに、ヒトにおける脳移行性予測法を確立すること」であった。本年度はhCEC/D3細胞を用いて得られた結果をもとにヒト個体へのスケールアップを試み、以下の成果を得た。 1)ヒト脳移行性を予測する前段階として、ラット由来の血液脳関門不死化細胞株(TR-BBB13細胞)を用い、カチオン性薬物(オキシコドン、[3H}ピリラミン、ジフェンヒドラミン)の細胞内取り込みクリアランスを測定するとともに、これら薬物のin vivoにおける血液脳関門取り込みクリアランスを脳還流法にて測定した。一方で、in vitro - in vivo相関を明らかにするために、脳毛細血管表面積、血流(還流)速度、タンパク結合率、輸送体に対する親和性などのパラメータを組み込んだ生理学的モデルを構築した。この生理学的モデルをスケールアップを用いて、TR-BBB13細胞で測定した取り込みクリアランスからin vivo血液脳関門透過クリアランスを予測した結果、少なくとも上記3つのカチオン性薬物については予測値と実測値が良く一致した。 2)上記の検討結果を踏まえ、次にhCEC/D3細胞からヒト個体の血液脳関門透過性が予測できることを検証した。その結果、hCMEC/D3細胞の実測値から予測したピリラミンのヒト血液脳関門透過性は、PETで求めた報告値とほぼ一致した。 以上から、中枢疾患治療薬のヒト脳移行性予測について、これまでにない新たな方法論を提示することができた。本研究成果は中枢疾患の治療のみならず、新薬の開発に寄与するものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)