2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化器疾患の摂食異常における摂食調節ペプチドの意義
Project/Area Number |
22590156
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
水野 成人 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (80368349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 明夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (10452947)
柿原 浩明 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20351314)
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Keywords | 摂量調節ペプチド / ヘリコバクター・ピロリ / インターフェロン |
Research Abstract |
本研究では、消化器疾患と摂食異常というテーマで、摂食調節ペプチドとヘリコバクター・ピロリ(HP)感染(課題I)およびインターフェロン(IFN)療法(課題II)との関連を検討している。平成22年度はそれぞれに関して以下のような研究成果を得た。 課題I:社会保険京都病院において、HP感染の有無別およびHP除菌前後に胃粘膜生検組織、血漿を採取し、神戸薬科大学において検体のアッセイを行った。胃粘膜組織では摂食調節ペプチドであるグレリンおよびその活性化酵素であるGOATのmRNA発現量を解析した。また、血漿ではグレリン(活性型のアシルグレリン、不活性型のデスアシルグレリン)濃度を測定した。その結果、HP陽性者では陰性者に比較してグレリンとGOATのmRNA発現が低値であった。血漿においてもアシルグレリン、デスアシルグレリン濃度が陽性者において共に低値を示した。HP除菌後では胃粘膜中のグレリンmRNAが有意に増加し、GOATのmRNAは有意差はないものの増加傾向にあった。血漿中のアシルグレリンは増加傾向にあり、デスアシルグレリンは有意に減少した。除菌前後において明らかなBMIの増加は見られなかった。今後は、グレリン以外の摂食調節ペプチドについても測定予定である。また、この結果は平成23年度中に論文等で公表予定である。 課題II:大阪鉄道病院において倫理委員会の承認を得て、慢性肝炎に対するIFN治療が摂食に及ぼす影響の検討を開始した。具体的には、IFN治療開始前および開始後2、4、8週の血漿採取を11月から開始した。解析は平成23年度に実施予定である。
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