2010 Fiscal Year Annual Research Report
味蕾細胞を用いた味覚測定技術の開発と苦味マスキング設計への応用
Project/Area Number |
22590158
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
吉田 都 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (20369028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 享弘 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (70203536)
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Keywords | 苦味評価 / 苦味受容体 / 味蕾細胞 / 苦味マスキング剤 / リノール酸 / phospholipase C / カルシウムイオン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
医薬品の苦味は患者にとって苦痛であり、コンプライアンス、QOLの低下につながる。多くの製剤で医薬品の苦味を抑制する技術(苦味マスキング)が施されているが、苦味を抑制できていない製剤や、処方の都合上、粉砕した医薬品を服用する場合などには強い苦味を伴うことになる。 また、低含量製剤の液剤化や小児用製剤、口腔内崩壊錠において、医薬品の苦味が問題になることがある。平成22年度においては、医薬品の苦味測定に関して官能的苦味マスキングの評価が可能となる新規苦味評価系の構築を行い、平成23年度も継続してこれを行う。マウスの有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭から味蕾細胞に関して、RNAを抽出し、RT-PCR法にて、苦味受容体(T2R)、甘味受容体(T1R_2、T1R_3)の発現量を確認した。苦味物質が苦味受容体に結合すると、phospholipase Cが活性化され、細胞膜微量構成リン脂質のホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)が加水分解されて産生されるイノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)により小胞体からのカルシウムイオンの遊離を引き起こす。味蕾細胞中のphospholipase Cの活性測定(測定キットを用いて吸光度測定)をすることによって、苦味物質と苦味受容体との結合後のシグナル伝達を検討した。平成23年度はより効率的に苦味物質と苦味受容体との結合後のシグナル伝達を測定できるように検出の方法を工夫していく。
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