2012 Fiscal Year Annual Research Report
血小板減少症治療薬インターロイキン-11を用いた有効な心不全発症予防療法の確立
Project/Area Number |
22590160
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
前田 真貴子 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (70461168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤尾 慈 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20359839)
東 純一 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (30144463)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | サイトカイン / 心不全 / インターロイキン-11 / 虚血・再灌流 / STAT3 |
Research Abstract |
IL-6 関連サイトカインは心筋組織傷害後の修復・再生において重要な役割を演じているが、それらの多くは全身性に炎症反応を誘発することが知られており、臨床応用するのが難しいと考えられる。IL-6 関連サイトカインの中のIL-11は、血小板減少症治療薬として米国で認可され、既に臨床応用されている。本研究ではIL-11 の心筋における内因性の保護・修復・再生機構を賦活化することによる心不全発症予防薬としての臨床応用の可能性を検討することを目的とする。特に、臨床応用を念頭にしていることより、心筋虚血/再灌流障害時において、IL-11のポストコンディショニング効果について、大型動物であるイヌおよび心筋特異的タモキシフェン誘導型STAT3遺伝子改変マウスを用い、IL-11の作用機序について検討した。 虚血(30分)後、再灌流直前にIL-11投与(20 or 50 μg/Kg)、24時間後に心臓摘出、組織切片作成し、Evans Blue染色、TTC染色、TUNEL染色を行った。その結果、IL-11投与群ではコントロール(PBS投与)群に比べ梗塞領域および細胞死の割合が有意に抑制されていた。更に、IL-11投与24時間後、摘出した心臓の一部を用い、STAT3シグナルの活性化を解析した。その結果、IL-11がSTAT3を顕著に活性化し、心筋保護効果を示すことが示唆された。 更に、IL-11血中動態についてシュミレーション解析を行い、臨床応用する際の有効投与量の推定、臨床研究を実施するためのプロトコール作成を行った。また、実際の心筋梗塞患者におけるIL-11の血中濃度測定を実施し、臨床研究時のIL-11投与量を決定する際の指標とした。 以上のことより、IL-11を有する可能性を示唆し、本研究によって心不全発症予防薬としてのIL-11の臨床応用の可能性を提示することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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