2010 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成過程および精子における膜タンパク質ベイシジンの機能の解析
Project/Area Number |
22590168
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前川 眞見子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20181571)
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Keywords | 精子形成 / 精子 / 糖タンパク質 / モノカルボン酸トランスポーター / ベイシジン / カベオリン |
Research Abstract |
ベイシジン(CD147/EMMPRIN)は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜糖タンパク質で、多くの組織で発現し広範な機能を持つ。他の組織や細胞においてベイシジンと相互作用するとされる分子の抗体を用いて、精巣・精子における局在を調べ、共存の可能性を調べた。1)プレセニリン-1:精巣および精子において、ベイシジンとの共存は確認できなかった。2)カベオリン-1:抗ベイシジン抗体G19(細胞内ドメインを認識)を用いた間接蛍光抗体法により、カベオリン-1がマウス精子頭部においてベイシジンと共存することがわかった。カベオリンは、さまざまな分子と結合しその機能を調節するという情報伝達調節機能も知られており、ベイシジン機能との関連が示唆された。3)モノカルボン酸トランスポーター(MCT):MCT1がベイシジンと相互作用することが、網膜などの組織で報告されている。MCT1の市販抗体を用いたが、免疫組織化学で反応が見られなかった。異なる市販抗体を試してみる予定である。MCT2はベイシジンとの相互作用はこれまで他の組織では報告されていないが、精巣内精子の尾部主部、精巣上体精子の尾部中間部において、ベイシジンと共存することがわかった。免疫沈降法により、共沈するかどうか、解析中である。また、ベイシジンは精巣上体尾部精子において22-25kDaの複数のバンドを示す。精子ベイシジンは頭部と尾部に存在することから、精子頭部と尾部を超音波で離断後、スクロース密度勾配法により、頭部、尾部を単離する方法を確立した。各々からタンパク質を抽出しウェスタンブロットを行った結果、頭部に存在するベイシジン分子は尾部のベイジシンと分子量が異なった。精子尾部と頭部で糖鎖の修飾が異なっている可能性を示した。
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Research Products
(4 results)