2010 Fiscal Year Annual Research Report
眼球の組織発生とサイズ決定に関わるコンドロイチン硫酸種の同定と機能解析
Project/Area Number |
22590174
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
上原 正人 鳥取大学, 農学部, 教授 (30032311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 善真 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00337023)
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Keywords | 眼球の発生、発達 / コンドロイチン硫酸鎖 / コンドロイン硫酸プロテオグリカン / アグリカン / ビグリカン / 視神経 / 網膜 / 部位・時期特異的分布 |
Research Abstract |
発生途中の網膜にはコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸(CS/DS)が、部位・時期特異的に発現分布しており、眼球構造(網膜、強膜)と眼球サイズを規定しているようだ。しかし複数あるCS/DSのうち、どの種類のCS/DSが眼球発生に影響を与えるか、そしてそれらが発生・成長過程のどの部位で、どの時期で、いかなる作用を発揮しているのかは、ほとんどが未解明のままである。 研究初年度はマウス網膜および視神経に存在するCS/DS鎖およびCS/DSプロテオグリカンの時間的・空間的変遷を免疫組織化学的に調査した。胎齢18日では、コンドロイチン-4-硫酸(C4S)、コンドロイチン-6-硫酸(C6S)およびビグリカンが網膜と視神経に存在していた。7日齢(P7)ではアグリカンとビグリカンは視神経、内顆粒層、神経節細胞層に分布し、C4Sは網膜全体と視神経にびまん性に存在した。C6Sは視神経細胞層で強陽性を示した。P42では、ビグリカンの分布域は視神経細胞の豊富な領域を占めた。アグリカンは内および外顆粒層、外網状層および神経節細胞層で強い陽性反応を示した。C4SとC6Sは網膜と視神経の両部位で認められたが、とりわけC6Sが視神経細胞層に強く認められた。これらのCS/DS鎖およびプロテオグリカンの時間的・空間的分布の変遷は、網膜や視神経組織を構成する細胞の分化や形成に深く関与していると考えられる。
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Research Products
(5 results)