2011 Fiscal Year Annual Research Report
眼球の組織発生とサイズ決定に関わるコンドロイチン硫酸種の同定と機能解析
Project/Area Number |
22590174
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
上原 正人 鳥取大学, 農学部, 教授 (30032311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 善真 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00337023)
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Keywords | 眼球の発生、発達 / 眼内圧 / 神経網膜 / 色素上皮層 / 網膜の剥離 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
眼球の発生初期段階(E6)に眼球を穿刺し、眼内圧を低下させることで、その後に発生する眼球(E7~E16の時点に採取)に顕著な形態的変化を誘導した。 すなわち、眼球の拡張が有意に抑制され、神経網膜は、色素上皮層から部分的に剥離して硝子体腔内に突出し、多数の「ひだ」が形成されていた。穿刺した眼球(処置眼)と無処置の眼球(対照眼)とを比較すると、処置眼の色素上皮層の周長は対照眼より有意に短かった。一方、神経網膜/色素上皮層のそれぞれの周長比の値が対照眼でほぼ1であったが、処置眼では1より大きくなった。このことは、色素上皮層と神経網膜の増殖性に違いがあり、眼内圧が眼球発生の重要な因子であることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発生初期において眼内圧の維持が眼球の正常な発生にとって重要な因子であること、神経網膜と色素上皮層の増殖が眼内圧を低下させると同調しなくなることなどを明らかにした。これらのデータは、平成24年度の研究を遂行上の重要な基礎データとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
眼内圧の低下によって惹起されると予想される各種糖鎖の量や、組成、そしてそれらの産生部位(細胞)の変化を眼球の発生・発達過程を通して検討する予定である。
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Research Products
(2 results)