2011 Fiscal Year Annual Research Report
生殖系細胞・器官で発現するユニークな機能分子の発生形態学的研究
Project/Area Number |
22590175
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉永 一也 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (50136719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 堅太郎 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (20404345)
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Keywords | 細胞・組織 / 発生・分化 / 生殖細胞 / 生殖器 |
Research Abstract |
本研究は、生殖細胞・器官の形成メカニズムを解明するために、糖鎖、チャネル分子、細胞間シグナル分子などに着目し、これらの生体内における発現・局在動態と機能について、発生学および分子形態学的視点から細胞組織~個体レベルで解析することを目的としている。本年度の研究成果を以下に示す。 1.生殖細胞は種族を維持し新しい個体をつくる重要な細胞な細胞である。このうち、精子の機能的成熟には精巣上体上皮が重要な役割を演じていることは分かっている。しかし、その分子メカニズムに関してはほとんど分かっていない。そこで、精巣上体上皮で発現する糖鎖について、レクチン組織化学と免疫組織化学を組み合わせたユニークな手法で調べた。その結果、精巣上体上皮は領域あるいは細胞種ごとで異なる結合パターンを示すことが分かった。このことから、糖鎖構造の違いが精巣上体上皮細胞の機能を生み出す可能性が示唆された。 2.生殖器官のなかでも外生殖器は、雌雄の形態の違いが顕著に見られるユニークな器官である。この雌雄の形態的相違を生み出すには、男性ホルモンであるアンドロゲンの作用が必須であることは分かっている。しかし、その下流因子に関しては全くわかっていない。そこで、雌雄で発現が異なる遺伝子を同定するためマウス胎児外生殖器原器を用いてマイクロアレーを行った。その結果、ある増殖因子系の遺伝子やいくつかの転写因子群の発現が雌に比べ雄で高いことが分かった。この結果から、これらの遺伝子群が雄特有の形態形成、すなわちアンドロゲンシグナルの下流で機能している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を継続して発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿った研究を遂行する予定である。
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