2010 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経移植後の運動ニューロンの変化と末梢部の再生効果との相応関係
Project/Area Number |
22590178
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
燕 軍 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20316350)
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Keywords | 臨床解剖学 / 末梢神経再生 / 運動ニューロン / 筋電図 / 逆行性標識 |
Research Abstract |
背景と目的:手術顕微鏡機能の向上と使用の普及によって、末梢神経吻合術は末梢神経損傷の一般的な手術療法になった。損傷された神経枝の再生の度合いの評価、或いは再生に関わる各因子の解明という問題を解明するため、副神経を損傷された肩甲上神経と吻合し、肩関節の機能回復する動物モデルを確立し、両神経の運動ニューロンの脊髄前角における位置、術後神経枝の支配ニューロンの位置、各ニューロンの数の変化を計測し、3D再構築法によって比較し、それに、回復された神経枝により支配された棘上筋の筋電図などを計測した。 結果とまとめ:1) 両神経の支配ニューロンは、前角の腹側と背外側にそれぞれ位置していることを3D再構築法でわかった。それに、術後の運動ニューロンの総数が減って、α運動ニューロンの減少と比較して、γ運動ニューロに有意な減少が認められた。γ運動ニューロンは、筋紡錘に分布して、筋の収縮力を感知しα運動ニューロンに伝わって正常な筋力を維持する役割を持っているので、この結果からγ運動ニューロンは移植後の筋力回復に重要な役割を持つことを示唆された。 2) 再生された支配枝のニューロンは、コントロールグループの80%に対し、神経移植後の回復率は60%にとどまっている。しかも、筋電図で再生した神経枝に支配された棘上筋の筋力が、ニューロン数の回復率と一致し、60%であることを分かった。これは臨床の治療結果と一致している。 4) 移植後再生された運動ニューロンは、主に副神経僧帽筋枝の領域に存在していることにお対し、肩甲上神経支配ニューロンの領域にも観察された。肩甲上神経の軸索は脊髄腹側から出るはずなのに、再生されたニューロンの軸索が副神経に合流し脊髄の背外側から出ることになった。この結果を考えると、脊髄内においてホメオボックス遺伝子が軸索伸長に影響しているのではないかと推測される。末梢神経移植して再生された軸索伸長方向に、この遺伝子群がどのような役割を持っているかを解明する必要があると思われる。
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Research Products
(1 results)