2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規の全胚ライブイメージング法による体節形成の遺伝子発現ダイナミクスの時空間解析
Project/Area Number |
22590181
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
近藤 晶子 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (90396838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 清 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (50396834)
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Keywords | 体節形成 / ライブイメージング / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
周期的に繰り返される体節分節の機構を明らかにするため、本研究では、体節分節の制御に関わる遺伝子群、特に遺伝子発現の空間分布が周期的に変動する分節時計遺伝子に着目し、発現の空間分布を1細胞レベルで時間を追って観察することを目指している。 her1レポーターゼブラフィッシュの作製:本年度は昨年度より引き続いてher1レポーターゼブラフィッシュ作製を行った。her1遺伝子の発現変動は通常のEGFPといった蛍光タンパク質の成熟や分解半減期に比べて非常に速い、20分周期で変動する。そのため、EGFPより成熟が早いmCherry遺伝子を蛍光レポーター遺伝子として用い、また半減期を短くするため、ユビキチン遺伝子(G76V変異体)との融合遺伝子とした。作製したトランスジェニックゼブラフィッシュから得られた次世代の胚において、PCR法ではレポーター遺伝子のゲノムへの挿入が確認されたが、蛍光顕微鏡下での観察では蛍光を検出することができなかった。そのため、現在蛍光タンパク質を複数導入したレポーターゼブラフィッシュを作製中である。 選択的平面照明顕微鏡(DSLM)でのイメージング:未分節中胚葉領域での1細胞単位でのレポーター解析を行うための条件検討として、核、及び膜を標識したゼブラフィッシュ胚を用いて顕微鏡観察の予備検討を行った。核はhistone2b遺伝子とEGFP遺伝子の融合遺伝子、膜は膜移行型mCherry遺伝子のmRNAを1細胞期のゼブラフィッシュ胚に共顕微注入することで蛍光標識した。条件検討の結果、目的とする未分節中胚葉、及び分節直後の体節の細胞を1細胞レベルでライブイメージングすることが可能となった。 現在、得られた顕微鏡画像からのデータ解析を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レポーターゼブラフィッシュの作製は、当初の計画では初年度にほぼ終了する予定でいたが、トランスジェニックゼブラフィッシュの作製の条件検討に時間を要したため、当初の計画よりやや遅れてしまった。今後は複数の条件を同時に検討するなど、至適なレポーター遺伝子の条件検討を急ぐ予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、her1レポーターゼブラフィッシュの作製、DSLMを用いた顕微鏡観察のより良い条件の検討、及び得られた画像データの解析方法の検討を平行して続ける予定である。特に至適なレポーター遺伝子の条件検討は急ぎ進めたい。また、今後は得られた画像データからの解析方法の検討にも重点を置く予定である。
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