2012 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面正中部の形成を担う神経堤細胞の挙動とその制御:発生系譜をふまえた解析
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22590182
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
和田 直之 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (50267449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20222185)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 顎顔面形成 / 神経堤細胞 / Foxd3 / 梁軟骨 / レクチン |
Research Abstract |
背景 頭蓋底~顔面正中部を構成する骨格は,胚の最前端に生じた頭部神経堤細胞が,眼胞の上下に沿って顔面形成部位に移動して形成される。本研究では,正中部骨格の領域特異性をもたらす分子機構の解明を目指している。 結果 (1)これまでの解析で,顔面正中部を作る軟骨(総梁軟骨)の中央領域を占める細胞では,その膜表面にピーナツレクチンのPNAが結合する分子(PNA結合分子)が発現することを見出している。本年度はPNA-BMと総梁軟骨形成との関連を調べる目的で,総梁軟骨形成を促進するSonic hedgehog (Shh)に注目した。Shhシグナルの阻害剤であるSANT-1をニワトリ胚に滴下して発生させると,総梁軟骨など正中部軟骨の形成が阻害される。SANT-1処理胚でPNA-BMの発現を調べた結果,総梁軟骨の形態異常とPNA-BMの発現低下が関連していた。特に,総梁軟骨の左右の棒状軟骨が正中部で融合しない表現型の胚では,PNA-BMの発現は観察されなかった。したがって,PNA-BMの発現は梁軟骨をつなぐ中央の軟骨の形成と関連すると考えられ,正常な総梁軟骨形成のマーカーになると予想された。 (2)頭蓋底骨格形成におけるFoxd3の機能解析:遺伝子変異動物の解析から,Foxd3は顔面正中部形成に関与することが示唆される。Foxd3の発現を調べた結果,顔面正中部となる内側鼻隆起を構成する間葉細胞で発現することが観察されたが,この発現は鼻隆起内の軟骨形成領域よりも先端部に限定され,軟骨分化領域では低下していた。Foxd3と軟骨分化との関連を調べるために,内側鼻隆起の間葉細胞を培養してFoxd3を過剰発現させた結果,軟骨分化が抑制された。Foxd3のKOマウスでは頭部軟骨/骨の分化亢進が報告されており,顔面隆起間充織で発現するFoxd3は神経堤細胞の軟骨分化を負に制御すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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