2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球動員を媒介する血管内皮細胞の組織選択的分化機構の解明
Project/Area Number |
22590191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早坂 晴子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70379246)
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Keywords | リンパ節 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
高内皮細静脈(high endothelial venule : HEV)はリンパ節とバイエル板にのみ存在し、血管系から二次リンパ組織へのリンパ球トラフィッキングを媒介する特殊な血管である。HEV内皮細胞は立方体で背が高く、リンパ球トラフィキングに関与するケモカインや接着分子を選択的に発現するという特徴をもつが、その発生分化機構については不明な点が多い。これまでに私たちは、新生仔期マウス腸間膜リンパ節HEV内皮細胞を分離し、マイクロアレイ・定量PCR解析をおこない、HEV内皮細胞で非HEV内皮細胞より50倍以上高発現する5つの転写因子を同定した。本研究で私は、同定された遺伝子の一つであるNHTF1がHEV内皮細胞分化を調節する可能性について検討した。まず、発生段階のリンパ節での発現パターンを解析するため、胎生16.5日以降のマウス腸間膜リンパ節の免疫組織染色を行った。その結果、NHTF1はHEVの分化、成熟がすすむ胎生期から新生仔期においてHEV内皮細胞選択的に発現するが、生後一日で急速に発現が消失し、成体リンパ節では発現が検出されなし、ことが明らかとなりた。また、NHTF1発現はHEVの存在しない脾臓では検出されなかった。次に、リンパ節におけるHEV形成におけるNHTF1の重要性を検討するため、NHTF1ノックアウトマウスリンパ節の免疫組織学的解析を行りた。NHTF1ノックアウトマウスリンパ節を解析した結果、新生仔NHTF1ノックアウトマウスリンパ節ではHEVとみられる血管構造は観察されたものの、HEVに選択的に発現する接着分子の発現低下傾向が見られた。このことから、NHTF1は胎生期から新生仔期のHEV内皮細胞におけるHEV選択的遺伝子発現調節に関与する可能性が示唆された。
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[Journal Article] Two-state conformations in the hyaluronan-binding domain regulate CD44 adhesiveness under flow condition2010
Author(s)
Ogino, S., Nishida, N., Umemoto, R., Suzuki, M., Takeda, M., Terasawa, H., Kitayama, J., Matsumoto, M., Hayasaka, H., Miyasaka, M., and Shimada, I
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Journal Title
Structure
Volume: 18
Pages: 649-656
Peer Reviewed
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