2012 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球動員を媒介する血管内皮細胞の組織選択的分化機構の解明
Project/Area Number |
22590191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早坂 晴子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70379246)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 免疫組織 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
適切な免疫応答の誘導には、免疫応答の「場」である二次リンパ組織への適切な免疫細胞の動員(トラフィキング)が必須である。リンパ球はリンパ節内では毛細血管網を流れた後、高内皮細静脈(high endothelial venule: HEV)の内皮細胞上を回転しながら減速し、内皮細胞表面に接着した後、内皮細胞間隙あるいは内皮細胞体を貫通してリンパ組織実質へと移行する。HEVは血管の中でも特異的な形態と機能をもつものの、その発生・分化や機能維持の分子機構については不明な点が多い。私たちは個体発生段階におけるHEV形成時期を決定するため、マウス胎生期から出生までの腸間膜リンパ節におけるHEV内皮細胞マーカー陽性の血管構造の出現を解析した。その結果、マウス腸間膜リンパ節においては胎生17.5日以降に出現し、成熟HEVの形態的特徴である肥厚した基底膜は新生仔期以降に完成することが明らかになった (Hayasaka, H., et. al., Cancer Sci, 2010)。次に私たちはマウス新生仔HEV内皮細胞を単離・精製し、その遺伝子発現プロファイリングを比較し、発生初期のHEV内皮細胞に選択的に高発現する遺伝子として複数の転写因子を同定した。このうち既知の1遺伝子 (遺伝子X) について HEV の分化、成熟に伴う発現パターンを解析したところ、HEVの成熟が進む胎生17.5日頃から新生仔期においてHEV内皮細胞に選択的に発現することが明らかとなった。遺伝子X欠損マウスでは野生型と比較して新生仔リンパ節が小さく、免疫組織化学的解析から形態学的に HEV と類似した血管構造は観察されたものの、HEV選択的に発現する接着分子の発現が低下していた。この結果から、遺伝子XがHEV内皮細胞の分化、発生に関与する候補転写因子である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)