2011 Fiscal Year Annual Research Report
超多色・超高感度組織蛍光イメージング法によるT細胞分化過程の組織学的解析
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22590194
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鶴井 博理 順天堂大学, 医学部, 助教 (40217386)
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Keywords | cytokine / 半導体色素 / 画像分光 / multi agent system / molecular dynamics / GPGPU / MM-PBSA / TCR-pMHC相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、すでにほぼ確立できたと考えている4つのT細胞サブセット特異的転写因子であるT-bet,GATA-3,ROR-gt,FoxP3の多色化と、実際にEAEを誘導したマウスのリンパ節及び中枢神経系におけるT細胞サブセット解析及び、IL-2,IL-10,TGF-b,IFN-g等のサイトカインのイメージングの確立を行い、EAEを誘発したマウスの臓器を対象としてサイトカイン イメージングを行うとともに、得られた画像の解釈の理論的枠組みとなるmulti agent systemによるシミュレーション法を確立することを計画していた。しかし、半導体色素による抗サイトカイン抗体のラベル化に関しては今もってクラスター形成の問題がのこり、現在十分なS/N比を得るに至っていない。一方、multi agent systemによるシミュレーションにおいては、200程度のT細胞、B細胞が数種のサイト間を分泌、検知しつつ分化・増殖を行う段階まで動作を確認した。クローンに特異を持たせるためTCR-pMHC間結合自由エネルギーを評価する手法の確立が必要となり、すでに報告のあるHarvard大Chakrabortyのグループにより報告されている、string modelとMiyazawa-Jernigan matrixによる計算に関する徹底したcharacterizationを行い、この計算法に大きな問題があることを明らかにした(免疫学会にて報告、論文準備中)。また、現実的な計算効率で比較的精度の得られる、誘電体連続モデルと分子動力学を結びつけた方法(MM-PBSA)によるTCR-PMH結合エネルギー計算法をGeneral purpose graphic processing unit(GPGPU)により効率的に行う方法を確立し、この領域における種々の計算手法を含めて論じ、著書として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半導体色素によるラベル化にともなうクラスター形成の問題がまだ十分に解決されていない一方、解釈の理論的枠組みの基礎となる計算機シミュレーションにおいて、multi agent systemによるT細胞・B細胞を含んだシミュレーションの構築を行い、TCR・pMHC間相互作用に関してstring model+Miyazawa-Jernigan matrixを用いた結合エネルギー計算に関する根本的な探索を行い、現実的な計算効率で比較的精度のよいMM-PBSA法による計算法を確立し、実際に計算を行った。当初予定とやや比重の置き方が変わってしまったが、Systemsimmunologyの最先端の水準にほぼ相応していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に、当初の計画と進める。しかし、抗体ラベルにおけるクラスター形成の問題は、必ず解決できると言い切れる問題ではない。一方、TCR-pMHC間結合エネルギー計算の問題は計算を行えば必ずそれなりの結果がでるため、実験における問題の解決が困難となった場合には、シミュレーションの方に比重を移すことも検討している。その際、目標とするべき水準は、MM-PBSAによる、信頼性の高いTCRのbinding profileの計算、その知見を反映しつつmulti agent systemに取り込むことが可能な、TCR-pMHC相互作用の評価法の確立、それらを用いての免疫応答のシミュレーションの確立、である。
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