2010 Fiscal Year Annual Research Report
腎ネフロンに作用するアセチルコリンの分泌経路に関する研究
Project/Area Number |
22590196
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
前田 誠司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10309445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 徹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10098543)
大谷 佐知 (桑原 佐知) 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40412001)
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Keywords | 腎臓 / アセチルコリン / ネフロン / 副交感神経 / 神経節 |
Research Abstract |
腎ネフロンに作用するアセチルコリン(ACh)の由来およびその作用機序を明らかにする目的で、1)腎実質内に存在する非神経性ACh分泌細胞の存在の可能性および2)迷走神経などのコリン作動性遠心性神経の投射の可能性の2点を仮定して実験を行った。 腎実質のACh関連因子をRT-PCR法で確認したところACh合成酵素であるコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)、小胞性ACh輸送体、および高親和性コリン輸送体の存在が確認された。次に組織切片上でのChAT mRNAの発現をin situハイブリダイゼーションにて確認したところ、皮質集合管に陽性反応が認められた。さらに、抗ChAT抗体を用いた免疫組織化学法では、皮質集合管の主細胞のうちおよそ15%にChAT陽性反応がみられた。これらの反応は局所的ではあったが、少なくとも腎臓の副交感作用のうちの一部はこれら非神経性細胞によって支配されていると考えられる。 神経標識法では、過去の研究(Norvell & Anderson,1983;Gattoneら,1986)の問題点を明らかにするべく、延髄へのHRPの注入および腎皮質へのFluoro-goldの注入を試みたが、明確な腎副交感神経線維を確認することはできなかった。このことからも腎副交感神経の投射量が非常に少ないことが示唆された。しかしながら注入トレーサーの種類、注入の方法および量についてはいくつかの改良点も考えられたことから、今後さらに検討する余地があると思われる。
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Research Products
(4 results)