2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590197
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Research Institution | 防衛医科大学校 |
Principal Investigator |
西井 清雅 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (20264020)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 細胞・組織 / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、器官発生の座標データを蓄積することにより、その発生力学を理解することである。点追跡ソフトウェアの導入により、平成23年度までに、胎児心拍動を録画したビデオ画像をもとに動点追跡を行い、ギャップ結合変異による初期心拍動の異常を詳細に解析した。この解析により、全ての体細胞でギャップ結合蛋白Cx45を欠損するCx45(-/-)と、過半の心筋でCx45を欠損するCA-Cx45とで心拍動の様式に差異が生じることが分かった。Cx45(-/-)では房室解離に近いA-V blockと伝導遅延が見られたのに対し、CA-Cx45では、残存するCx45陽性細胞を介して副伝導路が形成され、伝導遅延は示されなかった。この結論は、非常に重要である。なぜなら、Cx45(-/-)は心内膜床の欠損を示すのに対し、CA-Cx45では心内膜床が形成されるという表現型の差異を、説明しているかもしれないからである。心筋層におけるCa2+依存性転写因子NFATc4の活性化は、心内膜床の形成を促進することが知られており、平成24年度はおもに、培養細胞上でCx45の存在とNFATc4の活性化との関連を調査した。パッチクランプピペットでIP3またはCa2+を注入した場合、Cx45が存在する場合に隣接細胞でNFATc4の活性化が起こった。しかし、培養液にionomycinを加え、全ての細胞に、同時にCa2+負荷をかけた場合、Cx45ギャップ結合の存在は、細胞間のNFATc4活性化状態の違いを助長する方向に働いた。Cx45がこのように特徴的なCa2+依存転写因子の制御をすることが、心内膜床の形成に深く関わっていることを示す結果といえる。以上の研究成果をまとめ、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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