2010 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経によるCaチャネルβ2サブユニットのリン酸化
Project/Area Number |
22590200
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 学 宮崎大学, 医学部, 教授 (80302090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾野 恭一 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70185635)
大場 貴喜 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80431625)
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Keywords | カルシウム / 交感神経 / 副腎髄質 / マウス / 電気生理 / STIM1 |
Research Abstract |
交感神経系のトーヌスが低下しているモデル動物であるカルシウムβ3サブユニット欠損マウスの解析を行った.副腎髄質のカテコラミン産生細胞における総電流量が低下していること,電流量の低下はL,N型チャネル電流量,およびチャネル数の低下によることを発表した.電流量が低下しているにもかかわらず,同欠損マウスにおける血中カテコラミン濃度に異常がないこと,さらに副腎髄質におけるカテコラミン放出量が保たれていることを示した.この代償機構のメカニズムとして,副腎におけるIP3産生量が増加していることが,関与すると思われた(Ohta et al., B.B.R.C., 2010). Klotho欠損マウス血管内皮において,アポトーシスを伴う細胞膜透過性の亢進を見出した(Kusaba et al., P.N.A.S., 2010).この細胞膜透過性の亢進は,VEGFが関与する細胞内へのカルシウム流入により,血管内皮カドヘリンのダウンレギュレーションがおき,カルシウム依存性のプロテアーゼ活性の過剰を伴うものであった. Klothoをタグとするプルダウン法により,生化学的にKlothoがVEGFと直接結合することを見出した.FRET法により細胞レベルでKlothoがVEGFの近傍に存在することを確認した.さらにFRET法によりKlothoが陽イオンチャネルであるTRPC1チャネル近傍に存在することを確認した.遺伝子変異を導入した解析により,KlothoがTRPC1チャネルの第3細胞膜貫通セグメントの細胞外ループに結合することを示した.
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