2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴法による細胞集団の機能イメージング法への展開と臨床応用
Project/Area Number |
22590203
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
恵良 聖一 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (30152002)
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Keywords | 磁気共鳴医学 / MRI / 磁化移動効果 / 分子イメージング |
Research Abstract |
1.研究の目的:磁化移動(MT)コントラスト法は生体高分子と水分子間相互作用を反映する,組織特異的な分子イメージング法としてその有用性が期待されるが,得られるMR画像情報が示す物理的意味の詳細は不明な点が多い。本研究の目的は,その物理的意味合いを明らかにして,磁化移動コントラスト法の基本原理を解明し,さらに細胞・組織の機能を反映したイメージング法として実用化を図ることにある。 2.成果の具体的内容:昨年度からの唾液腺を対象とした基礎実験に並行して,一方で臨床応用として乳がんにおける化学療法の治療効果の判定にオフレゾナンス磁化移動イメージング(1.5テスラ)が評価可能かを,乳がん患者10例を対象として検討した。 3.意義:乳がんの術前化学療法における組織病理学的な変化は,形態変化が起こる前段階で細胞成分の減少および線維成分の増加を評価することにより早期治療効果が可能である。 4.重要性:実施した結果より,本法は術前化学療法の早期治療効果判定に有用な画像法であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究目的を遂行するために使用予定の3テスラの最新MR臨床機の機器調整ならびに測定条件検索に遅延が生じたために,実験自身の実施が当初の予定に比して多少の遅れが生じている。その遅れは本年度中には取り戻せると見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標は,オフレゾナンスMRイメージング法の臨床応用として,細胞集団,すなわち組織のリアルタイムの機能をイメージングとして捉え,その結果として異常病変の超早期発見や患者治療中の薬効評価に少なからず寄与することにある。そのために,今後は高磁場MR臨床機(3テスラ)を用いて,がん組織内のタンパク質-水分子間情報を捉えながら,本法の実用化を目指す。
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