2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しく同定された非定型心筋細胞の機能と生理的意義の検討
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22590204
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
尾松 万里子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80161397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60238962)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ACMs / novel heart cell / self-beating / cardiomyocyte / cardiac ventricle / autophagy / Ca2+ transients / ischemia |
Research Abstract |
申請者らは,マウス心臓において今までに知られていない種類の細胞の存在を探索した.ランゲンドルフ灌流による成体マウス心室筋細胞単離の最終段階で得られた「心筋細胞を含まない分画」である cardiac myocyte-depleted fraction (CMDF)をさらに遠心して集めた細胞を培養したところ,枝分かれした突起のある形態に変化するとともに自動的に拍動する細胞が出現することを見出し,atypically-shaped cardiomyocytes (ACMs)として新規に同定した.ACMsの細胞数は,新生仔期に一番多く,その後減少したが,成体になると老齢にいたるまで数は変わらなかった.また,老齢マウスから単離したACMsでも,atrial natriuretic peptide (ANP)やT型Ca2+チャネル(CaV3.2)などの心筋胎児型遺伝子産物を発現していた.CMDF細胞を致死的な低酸素状態に曝露した後に培養すると,約50%のACMsは大きく成長して拍動を開始した.電子顕微鏡を用いてACMsの微細構造を観察したところ,細胞内に自食胞(autophagosome)が多数存在し,細胞膜にはautophagosome内残存物の細胞外への放出に伴う乳頭状突起(papillae)が見られた.ACMsにおけるオートファジーの恒常的活性化は,自動的拍動,ANPの発現,虚血耐性とともにこの細胞の特徴の1つとして挙げられた.心臓発生において,オートファジーが活性化するのは胎生期から新生仔期のみであり,ACMsが胎児心筋細胞に似た特徴を持つ可能性が強く示唆された.これらの結果から,成体マウスの心臓において,胎児心筋細胞の特徴と高い虚血耐性を有する細胞であるACMsが一定数存在し,細胞の周辺環境条件によっては,大きく成長して自発的に拍動を開始する可能性があると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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