2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病モデル動物における反復性低血糖発作が心筋へ及ぼす影響と病態の解明
Project/Area Number |
22590209
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
手嶋 泰之 大分大学, 医学部, 助教 (10457608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犀川 哲典 大分大学, 医学部, 教授 (60145365)
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Keywords | 血糖変動 / 虚血再灌流障害 / 活性酸素種 / マイクロRNA |
Research Abstract |
本課題では、「糖尿病患者における低血糖発作」のような血糖変動が心筋細胞における活性酸素種の発生を促進し心機能へ悪影響を与えるのではないかとの仮説を基に研究をすすめている。これまでに得られた結果として、糖尿病モデルラットにおいて低血糖発作を繰り返させることにより心筋虚血再灌流による心筋障害が一定の高血糖レベルを維持したラットに比べ有意に増大しておりミトコンドリアの機能障害も増悪していた。また心筋培養細胞を用いた実験においても培養液を24時間毎に高濃度グルコース(4500mg/L)→低濃度グルコース(300mg/L)に交換したグルコース変動モデルを作製し心筋細胞を曝露したところ、高グルコース下で培養した細胞よりもグルコース濃度変動に曝露した細胞は活性酸素種が増加し、酸化ストレス(過酸化水素)に対してより脆弱となっていた。このメカニズムを探索していく中で、マイクロアレイを用いた網羅的解析より数種類のマイクロRNAの発現が血糖変動により変化していることが判明した。さらにそれらを心筋細胞に強発現させたところ活性酸素量の増加を認めた。以上の結果よりこのマイクロRNAの発現変化が活性酸素量に影響し血糖変動による虚血耐性の減弱につながるのではないかと考えミトコンドリア、細胞質内の活性酸素種の合成、消去に関与する蛋白、酵素の中からこのマイクロRNAのターゲット遺伝子の検索を進めメカニズムの解明を図っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的の中で「血糖変動により虚血再灌流障害は増悪するか」「血糖変動により活性酸素種は増加するか」についてはすでに結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在メカニズムの解明としてmicroRNAの機能解析を開始しているところであり特に研究の遂行に問題はない。
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Research Products
(3 results)