2011 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋の形質変換における電位依存性カルシウムチャネルの役割
Project/Area Number |
22590210
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
砂川 昌範 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70325835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正之 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30273965)
中村 真理子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40180400)
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Keywords | 形質変換 / Ca2+チャネル / 血管平滑筋細胞 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
細胞周期進行には細胞外からのCa2+流入が不可欠である。血管平滑筋の形質変換誘導、すなわち細胞周期進行を決定するうえで電位依存性Ca2+チャネルを介するCa2+流入が重要である。また、Ca2+流入量の時間的空間的変化を決定するのはCa2+チャネルのスプライスバリアントの種類とその発現割合であると予想される。平成23年度では、 1)電位依存性Ca2+チャネル(CaV1.2およびCaV3.2)を介する血管平滑筋細胞内へのCa2+流入の細胞周期調節との関連、2)形質変換に伴うスプライスバリアントの発現様式の変化を調べることを目的とした。 1)CaV1.2およびCaV3.2特異的siRNA発現プラスミドを作成後最適プラスミドを選択し、CaV1.2およびCaV3.2の発現抑制効果を検討した。 2)収縮型および合成型の培養血管平滑筋細胞は現在進行中である。 3)各培養血管平滑筋細胞よりRNAを抽出し、CaV1.2/CaV3.2の特異的3’UTR配列を含むオリゴdTプライマーによりcDNAライブラリーを作製中である。 4)形質変換に伴う血管平滑筋CaV1.2/CaV3.2のスプライスバリアント発現変化は上記1)から3)の完成後に検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していたラット株化培養血管平滑筋細胞(A7r5)のみでは本研究課題の証明には不充分であるのが判明したのでマウス及びラット初代培養血管平滑筋細胞の確立とヒト正常血管平滑筋細胞の培養が不可欠となった。マウス及びラットの初代培養細胞確立のための実験条件(至的培地の選定、血管片の静置日数)の決定と血管平滑筋細胞以外の細胞成分(線維芽細胞、血管内皮細胞)の除去による細胞純化に多くの日数を費やしたので当初の予定より遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を推進する方策として、以下の4つの事項を課題として取り組む。 1)各種培養血管平滑筋細胞を確立するための実験条件を決定し、実験に使用する培養血管平滑筋細胞を確立する。 2)形質変換の判定をミオシン重鎖アイソフォーム遺伝子発現量(mRNAおよびタンパク質)の測定により行い、平滑筋細胞の収縮型と合成型の培養条件を決定する。 3)カルシウムチャネルに対するsiRNAの作製とその効果の評価をmRNAおよびタンパク質レベルで検証し、実験に使用可能なsiRNAを選定する。 4)選定したsiRNAを各種血管平滑筋細胞に導入し、カルシウム流入経路の差異による血管平滑筋細胞の形質変換および細胞増殖への影響を検討する。
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