2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳の性的二型形成におけるエストロゲン制御シグナル伝達経路の解明
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22590214
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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Keywords | エストロゲン / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 能の性分化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、出生臨界期の性ホルモン(エストロゲン)の環境によって制御をうけるラットの脳の形態的雌雄差について、エストロゲンの有無によって発現応答をする遺伝子のプロファイリングをもとに、その分子機構を解明すること、である。本研究課題について、平成22年度から平成25年度の4年間で、明らかにしたい研究目標を具体的に5点[I]-[V]提示した。 平成24年度に実施した内容は、視索前野性的二型核(Sexually Dimorphic Nucleus: SDN-POA)領域に限定して、選択エストロゲン応答遺伝子のタンパク質発現をWestern Blotting(WB)法にて定量し、統計処理の為にそのN数を増やした。これまで、生後2日目と5日目から採集したタンパク質試料を用いていたが、エストロゲン作用がタンパク質発現に顕著に現れるのは、生後5日目の試料であることが分かり、5日目採集試料に対し、1タンパク質について、少なくとも5回はWBを実施した。その結果、SDN-POA領域における、エストロゲンのシグナル伝達カスケードを確立することができた。シグナル・カスケードの最終タンパク質は,細胞運動に関わるcofilinタンパク質であり、本タンパク質はエストロゲンによって、リン酸化が抑制され(活性化)アクチンタンパク質のモノマー化を促進し、動的状態になっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度は、マイクロアレイ法にてエストロゲン応答遺伝子の発現プロファイリングを実施した。平成23年度は、エストロゲン応答遺伝子を14個に絞り、遺伝子発現をreal-time PCR法にて定量を行った。平成24年度は、それら遺伝子のタンパク質発現をWestern Blotting法にて定量を行い、ラットの脳の性分化におけるエストロゲン作用のシグナル伝達カスケードを確立した。シグナル伝達系の研究としては、段階を踏んだ研究を進行しており、本時点で、論文に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
エストロゲンのシグナル伝達カスケードは確立し、論文発表を行ったが、カスケードにおいて、最下流にcofilinタンパク質を同定した。本タンパク質は、細胞移動に関与するので、実際の機能解析を行う必要がある。初代培養系で、改良Boyden法などを用いておこなう。さらに、本タンパク質の上流タンパク質を薬剤で阻害した場合の、細胞の動きを観察する必要がある。
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Research Products
(1 results)