2010 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛内直流電位の調節に対する細胞間タイト結合(クローディン)の役割
Project/Area Number |
22590217
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
窪田 隆裕 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10084906)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 禎章 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (70268192)
山路 純子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40340559)
|
Keywords | 蝸牛内リンパ腔電位 / クロディーン / Ca^<2+> / 末梢性感音難聴 / 相同組み換え / タイト結合 / 急性虚血 / ES細胞 |
Research Abstract |
蝸牛内リンパ腔電位(endocochlear potential,EP;+80mV程度)は音受容の際に有毛細胞に電流を運ぶ重要な役割を担っている。実験的末梢性感音難聴ではこのEPの低下と共に内リンパ液のCa^<2+>濃度([Ca]e)の上昇が認められているが、EPの発生や調節機構については未だ解明されていないのが現状である。これらの機構を明らかにすることを目指し、1)無呼吸負荷や利尿剤投与時のEPと[Ca]eの測定、2)種々のイオンチャネルや調節蛋白阻害剤の血管内外から投与したときのEP変化の計測を行ってきた。 本年度は a)マウスやモルモットを用いて対照時と無呼吸負荷時の経上皮的電気抵抗の変化を測定した。 その結果、内リンパ腔の潅流により、EP上昇と経上皮的電気抵抗の低下が認められた。これは、stretch activated channelの活性化によるEP発生電圧の上昇と上皮細胞膜の電気抵抗の低下によるものと考えられた。種々のイオンチャネルや経上皮的短絡の阻害剤を投与しても、無呼吸負荷時の後半(5分以上では)では、上皮細胞の細胞膜抵抗の上昇とEP低下が認められた(J physiol Sci,2011、S131)。 経上皮的短絡の無呼吸負荷時の変化については現在解析中である。 b)クローディン(特に14)knockout miceの作成を依頼した(理化学研究所、神戸)。平成22年度迄に相同組み替えES細胞の単離に成功した。しかし、キメラマウスの作成には至らず、キメラマウス作成に関する費用は次年度へ繰り越す申請を行い、平成23年8月末に作成に成功した。
|