2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590218
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岡田 誠剛 関西医科大学, 医学部, 講師 (40334677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
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Keywords | 内向き整流性K+チャネル / タンパク分解 / SNAPタグ / 蛍光タイマー |
Research Abstract |
我々はこれまでに、293T細胞に発現させた内向き整流性K^+チャネル(Kir2.1)の分解は、同チャネルの発現量および電流量に応じて亢進することを見出し、同チャネルの発現量は、分解によって調節されていることを明らかにしてきた。その過程で、蛍光タンパクを用いてタンパク分解速度を検討する2種の方法を開発した。すなわち、放射性同位元素を用いずに特異的な蛍光色素でパルス・チェイス実験が可能なSNAPタグと、蛍光波長が緑から赤に徐々に変化するため、タンパクの半減期の変化を検出できる蛍光タイマー(FT)を用いたものである。しかし、SNAP-Kir2.1融合タンパクのパルス・チェイス実験の蛍光を、共焦点顕微鏡を用いて細胞ごとに測定すると、蛍光の減弱速度は細胞分裂の影響を受ける。そこで、細胞分裂の影響を受けないSDS-PAGEによって蛍光減弱を測定すると、半減期は17時間であり、顕微鏡観察によるもの(14時間)と差はなく、細胞分裂の影響は少ないことが明らかになった。次に、発現量に応じた分解亢進のメカニズムを探るため、まず、293T細胞を、タンパク合成阻害剤のサイクロヘキシミドで処理すると、Kir2.1チャネルタンパクの半減期の延長と、同タンパクがエンドサイトーシスされずに細胞膜にとどまっていることが認められ、Kir2.1の新規合成がエンドサイトーシス及び分解の引き金となっていることが示唆された。このようにin vitroのデータはほぼそろったため、論文としてまとめ、今後はin vivoの実験に移行する。
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