2011 Fiscal Year Annual Research Report
t-PA/t-PAR系による血管修復・再生機能の解析とその応用
Project/Area Number |
22590219
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 顧問 (40030879)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上嶋 繁 近畿大学, 農学部, 教授 (30193791)
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 講師 (20185432)
河尾 直之 近畿大学, 医学部, 助教 (70388510)
|
Keywords | t-PA受容体 / t-PA / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 組織修復 / 血管 / 蛋白分解活性 / 線溶系 |
Research Abstract |
tissue-type plasminogen activator(t-PA)の受容体(t-PAR)は、我々がその存在を血管内皮細胞から単離し明らかにした蛋白である。本研究は、t-PAR強制高発現血管内皮細胞と血管平滑筋細胞を用いて、それらの細胞におけるt-PA/t-PAR系の機能を解析し、さらに組織再生過程でのその役割の解明を目的としている。 平成23年度は、マウス血管平滑筋細胞でのt-PA/t-PAR系の機能について解析した。血管平滑筋細胞をt-PA遺伝子欠損マウス(t-PAKO)とその野生型マウス(WT)の大動脈より分離、樹立化した。t-PAの血管平滑筋細胞への結合について分子間相互作用解析装置IAsysを用いて解析した。t-PAは、マウス血管平滑筋細胞に結合した。また、t-PAによるPlg活性化能を血管平滑筋細胞の存在下・非存在下で合成基質法により測定した。血管平滑筋細胞の存在でt-PAによるPlg活性化が促進された。以上の結果より、血管平滑筋細胞は、t-PA結合能を有し、細胞膜上でのt-PAによるPlgの活性化の亢進を誘導させることが示唆された。また、昨年度報告したt-PAR強制高発現血管内皮細胞でのt-PA/t-PAR系による蛋白分解活性亢進と細胞増殖能促進の作用とを考え併せると、各細胞膜上でのt-PA/t-PAR系による蛋白分解活性の亢進が、組織修復・再生過程における血管新生・再構築を誘導すると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、マウスの血管平滑筋細胞の樹立化とその細胞におけるt-PA/t-PAR系の機能解析を行った。当初予定のマウス組織虚血モデルの確立については、試みたが、安定化したモデルとして確立できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である平成24年度の研究計画について、昨年度計画予定のマウス組織虚血モデルの確立までに至らなかったため、時間や予算面を考え、一部変更することにする。本年度は、当初予定の血管内皮細胞と血管平滑筋細胞の相互関係におけるt-PA/t-PAR系の機能について細胞培養系を用いて行うところまでで終了することに変更する。このin vitro系での解析結果は、組織傷害後の再生・修復過程における血管新生・構築でのt-PA/t-PAR系の機能について十分な解明ができるであろう。
|
Research Products
(2 results)