2010 Fiscal Year Annual Research Report
「ビタミンC生合成能を持つマウス」を用いた酸化ストレスとビタミンC代謝の研究
Project/Area Number |
22590221
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
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Keywords | ビタミンC / デヒドロアスコルビン酸 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
ビタミンCを肝臓で生合成できるマウスにおけるビタミンC代謝と酸化ストレスの関係を調べるために、臓器/組織中のビタミンCとビタミンCの酸化代謝産物であるデヒドロアスコルビン酸(DHA)の定量方法を検討した。 その結果、従来の方法を用いて血漿中ビタミンC/DHA量が定量可能であること、LPS投与、オボアルブミン長期投与、急性運動負荷によって血漿中ビタミンC/DHA量が大きく変動することが分かった。次に、各臓器、特にビタミンC生合成を有する肝臓におけるビタミンC/DHA量の定量を試みたが、報告のある実験方法ではビタミンC/DHA定量が困難であった。そこで、組織の採取方法、抽出液の調製方法、抽出液中のDHA還元方法を詳細に検討し、組織中のビタミンC/DHAを再現性よく定量できる方法を確立した。酸化ストレスに対する組織中のビタミンC/DHA量を検討したところ、DHA量はストレス負荷直後から非常に大きく変動することが明らかになった。 本年度の研究から酸化ストレスによるビタミンC/DHAの代謝変動は、従来考えられていたよりも遥かに大きいことが示唆された。DHAは、組織中の半減期が数十分以内と非常に短く、ビタミンC消費量を鋭敏に反映すると考えられる。これは、抗酸化物質としてのビタミンCの役割を見直すと共に、ビタミンC/DHA代謝をマーカーとした酸化ストレス研究の可能性を示唆すると考えられた。 来年度は、本年度に確立した測定方法を用いて酸化ストレスとビタミンC/DHA量の関係を詳細に検討する予定である。
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Research Products
(7 results)