2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト褐色脂肪:寒冷刺激による活性化とエネルギー消費との関係
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22590227
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
斉藤 昌之 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (80036441)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 褐色脂肪組織 / エネルギー消費 / カプシノイド / 寒冷刺激 / 肥満 / FDG-PET |
Research Abstract |
哺乳動物には白色と褐色、2種類の脂肪組織がある。白色脂肪がエネルギー貯蔵部位であるのに対して、褐色脂肪は代謝的熱産生の特異的部位であり、体温やエネルギー消費の調節に寄与している。褐色脂肪についての従来の知見の大部分は、マウスなどの実験動物から得られたものであったが、申請者らは核医学的手法(FDG-PET/CT)を利用して健常成人にも寒冷刺激により活性化される褐色脂肪が存在することを世界に先駆けて明らかにしてきた(Diabetes 2009, 58:1526-1531)。さらに、全身エネルギー消費および体脂肪量の調節に寄与することを証明した(Obesity 2011, 19:13-16, Obesity19:1755-1760)。 これらの成果を踏まえて、24年度は褐色脂肪を活性化する生理的(食事)因子を検索するために、寒冷刺激の受容体TRPに焦点を当てて、これのアゴニスト活性を有する食品成分、特にTRPV1アゴニストである唐辛子成分カプシノイドとショウガ成分パラドールの影響を調べた。 健常被験者を対象に、寒冷刺激を与えてFDG-PET/CT検査を行い褐色脂肪の活性が高い群(BAT+)と低い群(BAT-)に分け、それぞれにカプシノイドあるいはパラドール含有カプセルを投与して、エネルギー消費量の変化を呼気分析により評価した。その結果、いずれの投与によってもBAT+群ではエネルギー消費が有意に増加したが、BAT-群では変化しなかった。なお両群ともにプラセボ投与では何も変化しなかった。これらの結果から、これらの食品成分はTRPV1刺激を介して褐色脂肪を活性化しエネルギー消費を高める効果があると結論した。これらの成果は、ヒト褐色脂肪を活性化する食品成分を始めて明らかにしたものであり、新たな肥満対策を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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