2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590233
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 講師 (10279135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10186124)
西 芳寛 久留米大学, 医学部, 講師 (20352122)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | グレリン / ドーパミン / オピオイド / 腹側被蓋野 / 側坐核 / マイクロダイアリシス / 摂食 / 報酬 |
Research Abstract |
摂食亢進性ホルモンであるグレリンの、中脳辺縁系ドーパミン神経に対する作用における食物報酬とオピオイド受容体経路の相互作用の関与を、マイクロダイアリシスを用いて検討した。 グレリン投与後、食物を取り除き摂食行動がない場合、中脳辺縁系ドーパミン神経の細胞体群である腹側被蓋野のκオピオイド受容体が活性化し、ドーパミン神経活性が抑制され、その結果、神経終末の側坐核のドーパミン遊離量は有意に減少した。グレリン投与後、日常的に摂取している餌(報酬効果が低い餌)が摂食された場合は、腹側被蓋野のμオピオイド受容体が活性化し、ドーパミン神経活性が増強し、その結果、側坐核のドーパミン遊離量が有意に増加した。グレリン投与後に、報酬効果の高い餌が摂食された場合は、κオピオイド受容体とμオピオイド受容体の両方が活性化し、その結果、側坐核のドーパミン遊離量は変化しなかった。生理的な空腹による摂食行動では、餌の報酬効果に関わらずμオピオイド受容体が活性化し、側坐核のドーパミン遊離量は増加した。 したがって、グレリンは食物の報酬効果によって異なるオピオイド受容体経路を活性化することで中脳辺縁系ドーパミン神経を調節することがわかった。生理的な空腹による摂食行動には、報酬効果に関わらずκ受容体経路の活性化は見られないことから、グレリン投与による摂食行動にはκ受容体経路の活性化の関与が特徴的である。これは、摂食行動異常や薬物依存のように生体側のオピオイド伝達経路が変化している可能性が高い状態では、中脳辺縁系ドーパミン神経のグレリンに対する感受性も変化している可能性が示唆される。今後は、報酬効果が高い食物だけでなく、報酬効果が高い依存性薬物のドーパミン神経作用におけるグレリンの影響も調べていく予定である。最終的には、グレリンの摂食行動異常や薬物依存に対する薬物治療薬としての可能性を見出したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)