2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス下での、神経ペプチドW、Bの自律神経機能調節機構の解明
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22590236
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入鹿山 容子 筑波大学, 分子行動科学研究コア, 研究員 (90312834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 武 金沢大学, 医学系, 教授 (60251055)
村越 伸行 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80447218)
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Keywords | 生理活性 / ストレス / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
NPWをラットに脳室内に投与すると、動脈血圧、心拍数、血中カテコールアミン濃度が上昇することなどが報告されていることから、NPW/Bは不安や恐怖といった感情を行動や自律神経系の反応と結びつける扁桃体から脳幹、視床下部への出力系(CRH系など)に対して、NPW/B-NPBWR1系が抑制性の役割を担っていると推測される。本年度は、NPW/Bのストレス下での自律神経機能調節における役割について、NPBWR1欠損マウスを用いて解析する。第一に、NPBWR1欠損マウスにおける、24時間蓄尿中カテコールアミン量、定常状態での血圧、心拍数、体温を測定した。NPBWR1欠損マウスの24時間の尿中ノルアドレナリン値は、野生型マウスに比べて有意に高かった(325ng/24h vs. 222ng/24h,P<0.05)。また、NPBWR1欠損マウスは、野生型と比較して収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧、心拍数には差はなかった。一方、NPBWR1欠損マウスは、特にオスにおいて、野生型と比較して顕著に体重の増加が認められるともに(27.7g vs. 28.9g,P<0.05;12週令)、左心室重量の増加が観察された(114mg vs. 132mg,P<0.05)。さらに、NPBWR1欠損マウスと野生型マウスの心機能をエコーにて評価した結果、左室拡張末期径、左室収縮末期径、左室後壁厚、駆出率等に有意な差はなかった。また、NPBWR1欠損マウスと野生型マウスと野生型マウスに、アンジオテンシンIIを14日間インフュージョンすることにより、交感神経活動亢進を模倣したモデルを作成し、血圧、心拍数を測定した結果、NPBWR1欠損マウスで、有意な収縮期血圧、左心室重量の増加が認められた。これらのことから、NPBWR1欠損マウスは野生型と比較して、正常状態で自律神経系の亢進が観察され、さらにアンジオテンシンII負荷により、心肥大の悪化傾向がみられることが判明した。
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Research Products
(1 results)