2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症モデルラットにおける亜硝酸塩による腎保護作用の検討
Project/Area Number |
22590241
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70301314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 俊晃 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80179879)
冨田 修平 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00263898)
石澤 啓介 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60398013)
濱野 修一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60530392)
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Keywords | 亜硝酸 / 硝酸 / 経口 / 腎糸球体内皮細胞 / マウス / OGTT |
Research Abstract |
亜硝酸塩による腎保護作用の検討について 1.硝酸塩による耐糖能改善効果の検討 体内に摂取された亜硝酸塩はAE-1等のアニオンチャネルを通じて赤血球に取り込まれ、さらにオキシヘモグロビンと反応し硝酸塩となり尿・糞中に排泄される一方、硝酸塩は腸内細菌によって再度還元され再吸収される。また、これまでの報告で硝酸塩を10週にわたり経口投与したeNOS KOマウスで耐糖能の改善が図られていることから、飲水に硝酸Naを混ぜ(1mM,10mM)50週にわたり投与し、OGTTを観察した。その結果、コントロール群と比べ1mM NaNO3投与群では差は見られなかったが、10mM NaNO3投与群では血糖値の上昇抑制および吸収遅延が観察された。現在、このメカニズムについて検討を行なっている。 2.腎糸球体内皮細胞(HGEC)を用いた亜硝酸塩による細胞内シグナル伝達の検討 亜硝酸塩による腎保護作用について、これまでは亜硝酸塩から発生する一酸化窒素(NO)が活性本体と考えられてきた。我々のこれまでの検討で亜硝酸塩の投与で細胞増殖が抑制されている知見を得ていることから、亜硝酸塩の細胞増殖の制御に関係しているAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)に与える影響について検討した。 その結果、亜硝酸塩は濃度依存的にAMPKリン酸化を促進し、その下流に位置するACCのリン酸化も促進した。この作用は亜硝酸塩添加10分後には観察された。現在、この作用がどのような機序で惹起されているか検討中である。
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Research Products
(1 results)