2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590245
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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Keywords | SIRT1 / deacetylase / 神経細胞 / 神経堤 / メラノーマ / PIP3 / p300 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
(1)SIRT1の神経細胞分化における役割:褐色細胞腫由来のPCI2細胞において、Nerve Growth Factorによる神経突起形成はSIRT1の活性化もしくは過剰発現によって促進され、突起の長さが長くなり、一方、SIRT1阻害は突起の伸長を抑制した(Sugino et al. FEBS Lett 584,2821,2010)。神経堤由来の細胞であるメラノーマ細胞においても同様の現象が観察された。また、突起の数には影響しないことから、SIRT1が突起の伸長メカニズムに関与することが考えられた。メラノーマ細胞突起の先端はラメリポディアという特殊な構造形態をとるが、SIRT1を阻害するとラメリポディアが形成されないことを見い出した。SIRT1の阻害は低分子G蛋白質のRac1の活性化によるラメリポディア形成も阻害した。一方、メラノーマ細胞でのラメリポディア形成にはphosphatydyl inositol (3,4,5) P3 (PIP3)の合成が必要であり、PIP3の合成阻害薬はラメリポディア形成を抑制した。そこで、SIRT1がPIP3の形成維持に関与する可能性を考えて、FRETによるPIP3測定をメラノーマ細胞でおこなった。SIRT1を阻害すると成長因子による膜直下でのPIP3の上昇や維持が抑制されていた。従って、SIRT1はPIP3の合成もしくは分解に作用してPIP3の増加の維持に働き、その結果ラメリポディアの形成がおこなわれ突起の伸長がおぎている可能性が高いと考えられた。細胞移動にもラメリポディアの形成が必須であることから、SIRT1阻害による細胞移動阻害もラメリポディア形成阻害によっていると考えられた。 (2)SIRT1による転写コアクチベーターp300の制御:神経前駆細胞においてSIRT1の核内移行はグリアではなく神経細胞への分化を促進した(Hisahara et al. PNAS 105,15599,2008)。このメカニズムについて、グリアの蛋白質であるGFAPは転写因子のSTAT3とSMADにより転写亢進がおきる。転写コアクチベーターp300はこれらの転写因子を活性化してグリア系への分化を強力に推し進める。SIRT1の活性化や強制発現はp300の脱アセチル化とユビキチン化を促進しp300の分解を促すことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している。SIRT1の新しい細胞突起伸長に関するメカニズムを解明することができた。また、神経細胞分化のメカニズムにおいて、グリア系細胞にならないメカニズムの可能性を示すデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究をそのまま進展させることをおこないたい。
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[Journal Article] Longevity-relevant regulation of autophagy at the level of the acetylproteome2011
Author(s)
Marino G, Morselli E, Bennetzen MV, Eisenberg T, Megalou E, Schroeder S, Cabrera S, Benit P, Rustin P, Criollo A, Kepp O, Galluzzi L, Shen S, Malik SA, Maiuri MC, Horio Y, Lopez-Otin C, Andersen JS, Tavernarakis N, Madeo F, Kroemer G
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Journal Title
Autophagy
Volume: 7
Pages: 647-649
Peer Reviewed
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