2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590258
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
木村 由佳 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所神経薬理研究部, 研究補助員 (60425692)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 硫化水素 / 酸化ストレス / グルタチオン / 神経細胞 / 細胞保護 / ミトコンドリア / GSH合成酵素 / システイン |
Research Abstract |
1. 私たちは、硫化水素(H_2S)添加または神経興奮により、アストロサイトへCa2+が流入して細胞内Ca2+が上昇し、それがCa2+ウェーブとして伝わることを見いだした。また神経とアストロサイトの相互作用によりシナプス活性が調節されることを既に報告した(FASEB J, 18, 1165-7,2004)。アストロサイトでのCa2+流入に関与する感受性分子(受容体)は同定されていなかったが、最近、私たちはtransient receptor potential(TRP)A1チャネルの活性化によりアストロサイトでのCa2+応答が誘導されることを見いだした。またTRPA1チャネルを活性化する分子として、H_2Sから産生するポリサルファイドを同定した。ポリサルファイドは、H_2Sの300分の1の濃度で同等の活性をもつため、H_2S誘発性シグナリングで生体内シグナル分子として働く可能性を提起した(FASEB J,27,2013)。 2. 私たちは、第4のH_2S合成経路を同定した。これは3-mercaptopyruvate sulfurtransferase(3MST)とD-amino acid oxidaseによりD-cysteineからH_2Sを合成する経路である。今まで見つかっていたL-cysteineを基質とする3つの合成経路と異なり、第4の経路は主として小脳と腎臓で働く。小脳と腎臓ではD-cysteine投与により酸化ストレス障害が低減し、第4の経路で生産されたH_2Sが細胞保護作用を持つことを示した。生体内での使用が少ないD-cysteineを基質とするこの経路は、組織特異的にH_2Sを供給する方法として腎障害低減などの臨床応用に利用可能である(Nature Commun,4,1366,2012)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)