2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体防御因子であるスカベンジャー受容体CL-P1の生体における役割解明
Project/Area Number |
22590259
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大谷 克城 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90396367)
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Keywords | 発生・分化 / コレクチン / スカベンジャー受容体 / 血管内皮細胞 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
CL-P1は膜結合型コレクチンで自然免疫機能、スカベンジャー受容体機能を有していることから生体防御に直接関わることを明らかにしてきた。しかしながら、近年、ゼブラフィッシュの受精卵を用いた遺伝子発現抑制により、血管形成不全、体幹形成遅延を示すこと、さらにノックアウトマウス作製において胚発生早期の胎生致死を示すことを見出し、これまでのコレクチンやスカベンジャー受容体の概念を超えた新たな機能を有した分子であることが示唆された。そこで、初期胚を用いた発生における役割解明をするとともに、血管形成における役割や個体形成後の機能について解明することを目的として研究を行っている。 CL-P1ノックアウトマウスが胎生致死であることから致死時期検討を行ってきた。前年度致死時期が着床前であることを明らかにして以来、着床前のどの段階であるか検討を行ってきたが明らかにすることができなかった。CL-P1遺伝子の機能を明らかにするためにもこの時期を明らかにすることは必要不可欠と考えている。 CL-P1ノックアウトマウスが胎生致死である証明のためCL-P1遺伝子トランスジェニックマウスとの交配による表現型回復を確認する必要があるためCL-P1遺伝子トランスジェニックマウスの作成を試みた。CL-P1遺伝子のプロモーター領域とマウスCL-P1 cDNAと連結したvectorを構築し、一般的な方法によりCL-P1遺伝子トランスジェニックマウスを作成し、個体を得ることができた。次に実際に表現型回復実験を行う予定である。同時に発現様式解析のため、マウスCL-P1遺伝子のプロモーター領域にGFP遣伝子を連結したベクターの構築も行い現在、個体の獲得の段階へ移行している。 個体形成後のCL-P1の役割を解明するためコンディショナルノックアウトマウスの作成を計画していたが現在ベクターの作成を行っており個体獲得には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CL-P1ノックアウトマウスの胎生致死時期決定に時間を要しているため、CL-P1コンディショナルノックアウトマウス作成の取り組みに遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
CL-P1ノックアウトマウスの胎生致死時期決定および、CL-P1トランスジェニックマウスとの交配によるCL-P1遺伝子欠損による胎生致死の証明は遂行可能と考えている。血管形成における役割や個体形成後のCL-P1の機能解明はCL-P1コンディショナルノックアウトマウスの出来如何にかかっているが遅れてはいるが現段階では今年度遂行可能と考えている。
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Research Products
(5 results)