2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590262
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤井 順逸 山形大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00222258)
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Keywords | 小胞体ストレス / レドックス調節 / 活性酸素シグナル / アポトーシス / シャペロン |
Research Abstract |
Peroxiredoxin4(Prx4)には、分泌/小胞体型(Prx4a)の他に、その上流プロモーターから転写されるスプライシングバリアント(Prx4b)があり、それが精巣特異的に発現していることを突き止め、論文発表した(Yim et al, J Biol Chem)。Prx4a・Prx4bとGFPとの融合遺伝子をHela細胞に発現させたところ、Prx4aは小胞体に局在し、Prx4bは細胞質と核に局在することを明らかにした。また共同研究により、G-CSF受容体の細胞内ドメインにPrx4aが結合して、そのリン酸化シグナル伝達を抑制的に制御することを明らかにして論文発表した(Palande et al, J Cell Sci)。この機構は、G-CSF受容体が活性化されて生じる過酸化水素をPrx4aが消去する事で核に伝わるリン酸化シグナルの強さを適正に保っていることを示唆している。この二種類のPrx4は、peroxidase活性を有するなど酵素学的には大きな違いはないが、Prx4aは小胞体で新たに合成されたタンパク質の酸化的折畳みに関与している事が分かってきたので、小腸と肝臓から分泌されるリポタンパク質について、Prx4欠損マウスを用いた解析を行っている。具体的には、脂肪を投与したマウスの小腸におけるキロミクロンの生成量を測定している。これまでSOD1を欠損することで酸化ストレスの亢進したマウスでは脂肪の吸収に異常が認められていることから、Prx4の欠損によりその障害が増強されることが予想されるため、現在Prx4とSOD1の二重欠損マウスを作製している。Prx4の新たな機能を見出すために、細胞生物学的なアプローチとしてPrx4a遺伝子を導入した細胞の抽出液を用いてpull downを行い、MS解析を行った。その結果、Protein Disulfide Isomerase(PDI)分子の一つERp5やBiPといった小胞体のシャペロン分子を同定でき、免疫沈降によりPrx4aとERp5が相互作用する事を確認した。ERp5は血小板のインテグリンの活性制御に関わり、Prx4aも血小板に存在することから、血小板機能との関連について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分泌/小胞体型(Prx4a)の機能の一つとしてG-CSF受容体の制御機構を明らかにし、新たに精巣型(Prx4b)を同定して論文発表できた。Pull down/MS解析によりERp5との相互作用を確認したが、これまでのところPrx4の欠損による影響は認められないことから、Prx4-ERp5が細胞のどのような機能に関係するか、つきとめる必要がある。Prx4bについても、精巣でどのような機能を担うか不明なため、その解明が急がれる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討から、Prx4aがリポタンパク質の生成に関わる可能性が示唆されたのでPrx4欠損マウスを用いた解析を進めている。Prx4a単独欠損では大きな影響を示さないが、酸化ストレスに曝された時にPrx4aの機能が顕在化すると考えられるため、SOD1との二重欠損マウスを作製している。精巣型Prx4bについては、解析に用いる適切な精巣細胞がないことが解明を遅らせる大きな要因となっている。マウス組織抽出液を用いたpull down解析などを行う事でこの問題を解消し、精巣における機能の解明につなげたい。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Development of a Quantitative Bioassay to Assess Preventive Compounds against Inflammation-based Carcinogenesis2011
Author(s)
Kunishige Onuma, Yuka Suenaga, Ryuta Sakaki, Satoshi Yoshitome, Yu Sato, Satomi Ogawara, Saori Suzuki, Mitsuhiro Kuramitsu, Hidekatsu Yokoyama, Akira Murakami, Junichi Hamada, Garth L Nicolson, Masanobu Kobayashi, Junichi Fujii, Futoshi Okada
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Journal Title
Nitric Oxide
Volume: 25
Pages: 183-194
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Roles of peroxiredoxin 4 in protein sulfhyryl oxidation2011
Author(s)
Toshihiro Kurahashi, Chihiro Awada, Tasuku Konno, Noriyuki Otsuki, Satoshi Tsunoda, Xuhong Zhang, Junitsu Ito, Yoshihito Iuchi, Toshifumi Takao, Junichi Fujii
Organizer
5th Biennial Meeting of Society for Free Radical Research-Asia (SFRR-Asia), 8th Conference of Asian Society for Mitochondrial Research and Medicine (ASMRM)
Place of Presentation
Kagoshima Citizens' Culture Hall (Kagoshima)
Year and Date
20110831-20110904
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[Presentation] Aldehyde reductase deficiency prolongs pentobarbital induced hypsosis in mice2011
Author(s)
Junitsu Ito, Motoko Takahashi, Noriyuki Otsuki, Tasuku Konno, Hayato Nishida, Satoshi Tsunoda, Toshihiro Kurahashi, Xuhong Zhang, Satoshi Miyata, Junichi Fujii
Organizer
4th Symposium on Nutrition, Oxygen Biology and Medicine
Place of Presentation
Hotel de Seine (Paris, France)
Year and Date
20110615-20110617
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