2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590268
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 聡子 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (30432256)
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Keywords | 細胞分裂 / Mink1 / セリンスレオニンキナーゼ |
Research Abstract |
細胞分裂において、細胞は複製した二組の染色体を二つの娘細胞に正確に分配しなければならず、この分配異常は染色体の不安定化を引き起こし、細胞死または細胞の癌化などにつながる。この細胞分裂の過程は多くのタンパク質により複雑かつ精密に制御されており、近年細胞分裂に関する複数のプロテオーム解析が行われ、今まで知られているよりもさらに多くのタンパク質が関与する可能性が示唆された。しかしながら個々のタンパク質についての解析は十分に進んでおらず、未だ細胞分裂の全貌解明には至っていない。本研究では細胞分裂に関与する新規タンパク質を同定する目的でデータベースを基にピックアップした遺伝子に対してsiRNAスクリーニングを行い、その中からsiRNAでノックダウンすると多核細胞が有意に増加したMink1というセリンスレオニンキナーゼに注目し詳細な解析を行っている。前年度のMink1は分裂期特異的にリン酸化を受けるという結果をもとに、本年度はMink1のリン酸化とMink1のキナーゼ活性の関係をin vitroキナーゼアッセイを用いて検討した。またMink1をリン酸化する酵素を検討した。その結果Mink1は分裂期にCDK1とPLK1によりリン酸化され、それに伴いキナーゼ活性が上昇することが明らかとなった。前年度にMink1に対する抗体を作成し、その抗体で免疫沈降を行いMink1の結合タンパク質を質量分析で同定した。複数のタンパク質が同定されてきたが、その中から脱リン酸化酵素のサブユニットの一つで基質特異的に結合するregulatory subunitであるSTRN4について詳細な解析を行った。STRN4をクローニングし過剰発現系でMink1との結合を確認するとともに、STRN4抗体を用いて内在性のSTRN4とMink1との結合も確認した。さらにMink1と相同性の高いMAP4K4とTNIKともSTRN4は結合することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ申請書に記載した予定とおり研究が進展しており、現在論文にまとめるべく最終的な実験に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMink1とSTRN4との結合がどのように細胞分裂に関わっているのか検討し、今まで得られたデータとともに研究成果を論文にし発表する。
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