2012 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルス感染複製におけるオートファジーの役割解明
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22590274
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北里 海雄 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50372769)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / オートファジー / ウイルスRNA合成 / ウイルスタンパク質翻訳 / Hsp90 / mTORシグナル / 中国 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
オートファジー欠損(atg7KO)により、感染細胞におけるインフルエンザウイルスタンパク質の発現低下の原因解明を行った。Realtime PCRによる定量的な解析の結果、オートファジーの欠損により感染細胞におけるウイルスRNA合成(mRNA,vRNA共に)が有意に低下し、ウイルスタンパク質発現低下の直接な原因の一つである可能性が示唆された。一方、ウイルスの細胞への侵入への影響について調べた結果、感染後3時間までに殆どの感染細胞の核がウイルスNP陽性となったが、オートファジー欠損の影響が認められなかった。又、ウイルスRNA合成に必要な宿主因子Hsp90について、野生型MEF細胞では感染によって有意に発現誘導されたのに対し、Atg7KOMEFでは感染後経時的に減少した。このことはウイルス感染応答としてのHsp90発現誘導がオートファジー欠損によって損害されたことが示唆された。Hsp90は核内におけるウイルスRNA合成活性に必要と報告されていることから、オートファジー欠損細胞におけるHsp90の低下によりウイルスのRNA合成が低下した可能性が示唆された。この他、オートファジーの制御や細胞内タンパク質翻訳制御に中心的な役割を果たしているmTORシグナル伝達経路分子とその下流にある標的分子、4E-BP1, p70S6K及びその標的分子40Sリボソームタンパク質S6について、それぞれの発現とリン酸化の経時変化について解析した結果、オートファジー欠損によりウイルス感染後期におけるmTORの下流標的分子のリン酸化は、Atg7KOMEFと野生型MEFと逆なパターンを示し、特に感染後期においてオートファジー欠損によりこれらのシグナル制御因子の活性化が抑制されたことが示唆された。この研究で初めてオートファジーがウイルスRNAとタンパク質合成の制御に関与する可能性が示唆された(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)