2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインホスファターゼ2Cによる炎症性サイトカイン応答シグナル伝達路の制御機構
Project/Area Number |
22590280
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 眞理 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 孝安 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (10221970)
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Keywords | ストレス応答 / 小胞体ストレス / PP2Cε / INK / IRE1α |
Research Abstract |
我々は既にPP2Cεが小胞体に局在する膜タンパク質であることを報告した。機能解析の結果、小胞体膜上でVAP-Aと会合したPP2Cεがセラミド輸送タンパク質を脱リン酸化することにより活性化して、セラミドの小胞体からゴルジ体への輸送を促進し、結果的にスフィンゴミエリンの生成を促す役割を果たすことを見出した。小胞体は脂質生合成以外に膜タンパク質や分泌性タンパク質の生成、さらにはタンパク質の品質管理に関わる他、細胞内のCa^<2+>の貯蔵庫としての役割を担っている。我々は最近PP2Cεが小胞体のこれらの機能の内、タンパク質の品質管理機能をも制御することを見出した。小胞体内にmisfolded proteinsが蓄積すると、防御反応として小胞体ストレス応答シグナル伝達経路が活性化される。同シグナル伝達経路の主要な因子としてIRE1αが知られているが、PP2CεはVAP-AおよびIRE1αと複合体を形成し、脱リン酸化によりIRE1αを不活性化して小胞体ストレス応答を負に制御することが見出された。IRE1αの下流でASK1が活性化されることが既に知られている。また、我々はPP2CεがASK1と会合し、これを脱リン酸化して不活性化することを既に報告している。これらの結果から、小胞体膜上ではPP2Cε/VAP-A/IRE1α/ASK1の複合体が機能単位として存在する可能性が考えられる。
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Research Products
(7 results)