2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22590283
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 徹郎 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334235)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 癌 / 血管新生 |
Research Abstract |
腫瘍血管内皮細胞の特性として間葉系細胞(腫瘍関連線維芽細胞など)へ転換(Endothelial Mesenchymal Transition: EndMT)する能力が高いことが挙げられる。本課題において私はTGF-βによるEndMTを司る分子機構をさらに詳細に検討してきた。平成22年度は膵臓由来MS1血管内皮細胞にTGF-β2を添加するとEndMTが観察されること、そのEndMTにおいて、上皮間葉転換(EMT)において重要な役割を果たすRhoシグナルならびにRhoシグナルの下流で平滑筋細胞の分化に重要な役割を果たすMRTFAという転写因子が重要な役割を果たすことが明らかにした(Mihira, Watabe et al., 2012, JB)。また平成23年度はTGF-β2によるEndMTの誘導における骨形成因子(BMP)の関与について検討した上で、平成24年度は炎症性サイトカインによるシグナルの関与について検討した。EndMTが誘導されるがんや心疾患等の微小環境では多くの炎症性細胞が浸潤しており、血管内皮細胞も炎症性サイトカインに暴露されていることが推測される。そこで私は、MS-1血管内皮細胞を用いて炎症性サイトカインであるTNF-αがTGF-βによるEndMTにどのような影響を与えるか検討し、その分子機序の解明を試みた。これまでの研究成果としてTNF-αがTGF-βによるMS-1血管内皮細胞のEndMT誘導を亢進すること、そしてその過程においてTNF-αシグナルの下流因子であるNFκBが重要な役割を果たすことが示された。以上の結果から炎症性サイトカインシグナルがTGF-β2によるEndMTの誘導にポジティブに作用することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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