2011 Fiscal Year Annual Research Report
選択的オートファジーによる細胞内クリアランスの制御
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22590293
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
一村 義信 財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主任研究員 (80400993)
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Keywords | 選択的オートファジー / p62 |
Research Abstract |
P62はLC3との結合を介してオートファゴソームへ選択的に取り込まれ分解される。前年までの研究から、LC3がGATE-16より、p62との親和性が高く、それが基質認識において重要な要素となることが示唆されていた。また、p62とLC3の複合体の立体構造をベースにp62とGABARAP複合体の立体構造を新たにPC上で構築し、両者を比較したところ、GABARAPに比べLC3とp62の相互作用が有利であることも示された。哺乳動物のAtg8 familyはアミノ酸配列の相同性からLC3とGABARAPの2つのグループに分類される。本年度は、LC3,GABARAPのそれぞれのグループをノックダウンさせることで、p62の代謝に与える影響を調べた。HEK293細胞のAtg8 familyの発現をRT-PCRで解析したところ、LC3のグループではLC3Bのみが発現し、GABARAPのグループは、GABARAP,GABARAPL1,GABARAPL2の全てが発現していた。そこで、HEK293のAtg8 familyのノックダウンをsiRNAを用いておこなったところ、LC3Bのみのノックダウンでp62の分解が強く阻害された。免疫染色でAtg8 familyタンパク質の細胞内局在を観察したところ、大部分のp62の凝集体でLC3Bが共局在がみられた。その一方で、GABARAP familyタンパクとp62の共局在は一部であった。飢餓条件下では、LC3B,GABARAP familyタンパクは細胞質内で多数のドットを形成し、そのほとんどがオートファゴソームに存在することが知られている。したがって、先の結果は、少なくとも栄養条件下で起きている恒常的オートファジーを介したp62の代謝に関しては、主にLC3がp62をオートファゴソームへ繋ぎ止めるアダプターもしくはレセプターの役割を担うことを示している。これらの研究結果については現在、論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究先の順天堂でカロリーメーターが購入され、データ収集が早くなった。また、当研究所に最新の蛍光顕微鏡が導入され、画像解析実験が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
GABARAPのオートファジーでの役割についてはLC3ほどわかっていない、そのため現在、GABARAPとの相互作用因子の解析を進めている。
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