2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵管癌の発育進展に関与するマイクロRNA発現異常の解析
Project/Area Number |
22590318
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
福嶋 敬宜 自治医科大学, 医学部, 教授 (40384937)
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Keywords | 膵癌 / 前癌病変 / microRNA |
Research Abstract |
初年度は、浸潤性を示す膵癌組織(膵管内腫瘍由来の浸潤癌を含む)から、その膵管内腫瘍成分と浸潤癌成分におけるmicroRNA発現の違いを比較検討するために、ホルマリン固定パラフィン包埋切片からmicroRNA解析に必要なRNAの抽出をコンスタントに行えるようトライアルを行ってきた。まず,症例・検体の選択,組織標本のレビューと膵癌前駆病変を含む対象病変(浸潤性膵管癌,膵管内腫瘍,膵上皮内腫瘍性病変)の同定を行いリストを作成してきた。それぞれの標本上で対象病変の同定を行った後は、組織マイクロアレイの作製のためにマーキングを行った。検体使用に関する承諾が得られた浸潤癌を伴う膵管内乳頭粘液性腺癌症例のホルマリン固定パラフィン包埋切片標本(12-15μ厚)から、前記マーキングに従い膵管内腫瘍成分と浸潤癌成分をそれぞれ分けて採取し、そこからtotal RNAを抽出、調整した後、RNAの品質を確認した。これらのサンプルから基準を満たしたサンプルについてはmicroRNAマイクロアレイにハイブリダイゼーションし、3D-Gene Scanner 3000(TORAY)で解析を行った。そこで複数の浸潤癌および非浸潤癌成分でのデータが採取されており、マーカー候補のmicroRNAがピックアップされつつある。現在は、マイクロアレイ解析を行える症例を増やし、候補のmicroRNAを抽出すること、さらに、浸潤癌を伴う膵管内腫瘍は症例数に限りがあるため、通常の浸潤性膵管癌からマイクロダイセクションで得られる微量検体においてもマイクロアレイ解析が安定して行えるかを検討し症例を増やして解析を行う予定である。
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Research Products
(12 results)