2012 Fiscal Year Annual Research Report
膵管癌の発育進展に関与するマイクロRNA発現異常の解析
Project/Area Number |
22590318
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
福嶋 敬宜 自治医科大学, 医学部, 教授 (40384937)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 膵癌 / 前癌病変 / microRNA |
Research Abstract |
膵管癌の早期診断法の開発を目指し、前浸潤癌を含む膵管癌の早期像についての解析を進めてきた。浸潤性を示す膵癌組織(膵管内腫瘍由来の浸潤癌を含む)から、その膵管内腫瘍成分と浸潤癌成分におけるmicroRNA発現の違いを比較検討するために、ホルマリン固定パラフィン包埋切片からmicroRNA解析に必要なRNAの抽出を行い,microRNA発現異常を解析している。IPMN(膵管内腫瘍成分と膵管外の間質浸潤部の組織をそれぞれ別に採取した)におけるmicroRNA発現をmicroRNAアレイを用いて網羅的に解析した結果, miR320a、miR375、miR494、miR663、miR187などが高発現していることを見出した。特にmiR320aは,大腸癌において癌細胞の増殖や肝転移の抑制に,miR-200cは,大腸癌細胞のEMTに関与して大腸癌の転移能を調節しているとの報告もあることから,膵癌の発育進展への関与が示唆される。miRNA-375はinsulin-like growth factor 1 receptorを介して食道癌の増殖,転移に抑制的に働いているなどの報告があり,膵癌における関与をさらに解析していく。 膵癌の早期像を明らかにする目的で外科切除された術前未治療の腫瘍最大径2 cm以下の小膵癌(ts1)について臨床病理学的な検討を行ってきた。当該年度も症例を蓄積しており,これまで結節内の膵管内乳頭状成分の存在や,必ずしも破壊されていない膵管壁周囲にも弾性線維増生が見られることを見出してきた。高率(90%)に見られた主膵管周囲の弾性線維増生は早期の膵管狭窄と末梢膵管拡張に関与している可能性があり,膵癌の発見契機の観点から画像所見とも総合しさらに検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)