2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の大腸癌発生・進展への女性ホルモンの関与―エストロゲンは善玉か?悪玉か?-
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22590328
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70321875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 公伸 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50187142)
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Keywords | 大腸癌 / エストロゲン / エストロゲンレセプターβ / 遺伝子多型 / エストロゲン代謝酵素群 |
Research Abstract |
日本人大腸癌とエストロゲンの関係を明らかにする目的で、日本人の人体材料を用い、エストロゲンに関連した多方面からの解析を行っている。 これまで東京都健康長寿医療センターの高齢者剖検例の解析から、女性の大腸癌とestrogen receptor-β遺伝子(ESR2)CA repeat多型の関係が示唆された。短鎖を持つことが大腸癌リスクを高めていたが、欧米では長鎖がリスク因子という、逆の報告がなされており、これまでの我々の結果が、高齢女性の特徴か日本人女性の特徴かを明らかにする必要があった。そのため、通常年齢層の大規模な日本人大腸癌case-control群につき、これまでと同様の検討を行うことを計画した。 74歳以下の大腸癌case-control群である"福岡大腸癌研究"を対象とした。大腸癌症例約700例、対照約800例につき、ESR2 CA repeat多型の解析を行い、性・年齢別の大腸癌リスクとの関係を検討した。閉経後女性結腸癌では長鎖がリスクという欧米と同様の結果が示され、上記の高齢者剖検例の結果は高齢女性に特徴的なものであることが判明した。直腸癌、男性、閉経前女性では、ESR2 CA repeat多型と大腸癌リスクの関係は認められなかった。上記症例群については、イソフラボン摂取量、肥満度(両者ともエストロゲンに関連する)等の情報が完備しているため、これらがESR2 CA repeatと大腸癌リスクの関係に及ぼす影響についても検討を加えている。(共同研究者:九州大学・古野純典教授、山本健准教授、大中佳三講師他)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ESR2 CA repeat多型と大腸癌リスクの関係は、閉経後女性結腸癌でのみ極めて重要であり、しかも年齢によりリスクが逆転するという現象を明確にすることができた。肥満度やイソフラボン摂取量の影響についての検討は当初予定していなかったが、いずれもエストロゲンと密接に関係するものであり、閉経後女性結腸癌の病態におけるエストロゲンの意義がより明確になると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
ESR2 CA repeat多型と女性結腸癌リスクの関係が、年齢により逆転することより、結腸癌病態メカニズムを、エストロゲンシグナルと加齢という観点から調べる必要が出てきた。臨床病理学的情報の完備した症例群の手術材料について、ER-β、エストロゲン代謝酵素群、ミスマッチ修復遺伝子産物等の免疫染色および癌部・非癌部組織の性ステロイドホルモン濃度測定を行っている。このような解析を通じ、大腸癌において、エストロゲンが善玉として働くのか、悪玉として働くのかを明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(8 results)