2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590330
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
竹下 淳 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 運動器疾患研究部, 室長 (50263009)
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Keywords | 骨代謝 / 骨粗鬆症 / 骨吸収 / 転写因子 |
Research Abstract |
破骨細胞が骨を吸収する際に特異的に産生・分泌する新規分泌タンパク質・カップリンをコードする遺伝子の転写制御メカニズムの解明と、新規骨粗鬆症治療薬のリード化合物の創出を目的としたカップリン遺伝子の転写を促進する化合物の同定を試みた。その結果、その発現は骨や象牙質のみならず、ハイドロキシアパタイトを吸収して上昇することを突き止め、さらに、骨吸収時に遊離されるカルシウムなどのイオンにより転写が活性化されることが分かった。一方、1万種の化合物ライブラリーからカップリン遺伝子の転写を促進する10種類の候補化合物を選出した。さらに、その中の化合物をマウスに投与し、カップリンの遺伝子発現を上昇する化合物を1種類同定することに成功した。 骨吸収で発現が制御される遺伝子についてはこれまでに報告された例はなく、本研究で初めて明らかにされた。すなわち、カップリン遺伝子は、骨吸収により遊離されたカルシウム等のイオンが引き金となって発現上昇し、骨吸収後にこの分子そのものが骨形成を促進するカップリング因子として働くことを突き止めたことは、骨代謝を理解する上で極めて意義深い。さらに、既にカップリン遺伝子発現を促進する化合物を同定したことは、カップリン遺伝子の転写制御メカニズム解明に有力な武器となるだけではなく、骨カップリング因子をターゲットとした斬新な切り口の新たな骨粗鬆症治療薬を目指した創薬のリード化合物になることが期待される。
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Research Products
(2 results)