2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590330
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Research Institution | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
Principal Investigator |
竹下 淳 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 運動器疾患研究部, 室長 (50263009)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨粗鬆症 / 骨吸収 / 転写因子 |
Research Abstract |
活性化破骨細胞が特異的に発現する遺伝子としてCthrc1を同定し、骨代謝に必須な調節機能である骨リモデリングを制御する骨カップリング因子であることをマウスの遺伝学と開発したin vivo評価系により実証した。 Cthrc1は破骨細胞が骨、象牙やヒドロキシアパタイト(HA)上で骨吸収により発現上昇し、骨吸収阻害剤であるアレンドロネートとカルシトニン、及びプロトンポンプ阻害剤で発現上昇は抑制された。HAが酸によりイオン化したカルシウムやリンはCthrc1の発現を促進したが、基質タンパクでるフィブロネクチンやビトロネクチンには発現上昇は見られなかった。また、マウスに破骨細胞分化因子RANKLを投与すると骨におけるCthrc1の発現が上昇し、アレンドロネートの投与により発現は低下した。そこで、転写制御メカニズムの解明と、新規骨粗鬆症治療薬のリード化合物の創出を目的とし、1万種類の化合物ライブラリーからCthrc1遺伝子の転写活性を促進する化合物12種類を同定した。さらに、6種類の化合物をマウスに投与し、骨においてCthrc1の発現を上昇する化合物1種類を同定することに成功した。 骨吸収により発現が制御される遺伝子についてはこれまでに報告された例はない。本研究で、Cthrc1遺伝子が骨吸収によるイオン濃度の上昇が引き金となって発現上昇し、骨形成を促進するカップリング因子として働くことを突き止めたことは、骨代謝を理解する上で極めて意義深い。同定した1kbのCthrc1遺伝子発現調節領域には同定した化合物が結合することは明らかであり、今後カルシウムによる制御領域の同定と共に詳細な解析によりCthrc1遺伝子の転写制御メカニズムの解明に有力な武器となるだけではなく、骨カップリング因子をターゲットとした斬新な切り口の新たな骨粗鬆症治療薬を目指した創薬のリード化合物になることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)