2012 Fiscal Year Annual Research Report
胸膜中皮腫発生・進展に関わるエピジェネティクス変化の病理病態解析
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22590333
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
出射 由香 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (90464271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 荘平 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90186239)
北澤 理子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00273780)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中皮腫 / エピジェネティクス / E-カドヘリン / 遺伝子プロモータ / DNAメチル化 |
Research Abstract |
エピジェネティクス制御機構は、再生医療、分子標的治療へと展開しているポストゲノム時代の重要な研究課題である。本研究課題では、アスベスト曝露後の悪性中皮腫に焦点を当てて、酸化的ストレスとDNAメチル化集積との関連についての解析するものである。病理組織学的に中皮腫の2相性、即ち、上皮様配列を示す成分と、紡錘形肉腫様成分とが混在する特徴に着目して、中皮腫の上皮化を制御する分子機構に着目した。肉腫様部分と上皮化成分との細胞接着分子E-カドヘリン発現の比較検討を施行中である。本研究計画を遂行するために、組織標本の微小検体から効率良くDNA増幅やメチル化解析を施行する方法論の検討を行なった。成果の一部は学会と論文にて報告した。 中皮腫と共通して、2相性を示す腫瘍である滑膜肉腫培養細胞株を実験モデルとして、肉腫様成分からの上皮化を制御する因子の解析を目指した。今年度は、滑膜肉腫における肉腫成分と上皮化成分とを識別する抗体の探索を行った。ウェスタンブロッティングによる抗体のスクリーニングを行い、肉腫様成分の培養細胞株SW982と上皮様成分の培養株HS-SY-IIとを識別可能なモノクローナル抗体を見い出した。引き続き、2次元電気泳動を行い、抗体の認識する抗原蛋白を切り出し、詳細な分析に供する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞接着分子の免疫染色による発現、DNAメチル化解析は、微量検体を分析する手法の確立により、病理組織標本内のわずかな領域でも解析可能となった。 2相性という組織像の共通性から、滑膜肉腫培養株をモデルとして、上皮様成分と肉腫様成分を識別する抗体の探索を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
中皮腫の肉腫様成分と上皮様成分を規定する分子機構を解明する目的で、滑膜肉腫の実験モデルから得られた知見を、悪性中皮腫の病理組織に展開する。 滑膜肉腫の上皮様成分と肉腫様成分を識別する抗体が認識する抗原蛋白質を2次元電気泳動を行ってゲルから切り出し精製の後、詳細な蛋白解析を行って抗原蛋白を同定する。滑膜肉腫の上皮様成分と肉腫様成分を識別する抗体を用いて中皮腫病理組織の評価を行い、細胞接着分子の発現との関係を検討する。一方で滑膜肉腫の上皮様成分と肉腫様成分とのmRNA発現プロファイルの比較検討から得られた分子に関して、中皮腫病理組織における発現局在を検討し、細胞接着分子の発現やDNAメチル化との関連について検討する。 これらの分子の発現局在と、免疫組織化学による酸化的ストレスの分布を比較検討する。 成果をとりまとめ、学会や論文発表を行う。
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Research Products
(10 results)