2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジスルフィド結合を介したタイト結合形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22590336
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
田中 敏 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30374250)
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Keywords | タイト結合 / ジスルフィド結合 / thioredoxin / redox |
Research Abstract |
タイト結合膜蛋白(occludin、claudin、JAM)発現後の蛋白折り畳み、修飾、細胞膜への移動、タイト結合の形成のメカニズムは解明されていない。本研究ではメカニズム解明の第一歩としてジスルフィド結合に着目し、正常状態や病的状態でのタイト結合膜蛋白のジスルフィド結合の有無、蛋白内の位置決定、存在意義を検討している。平成22年度では研究システムの構築のため以下の実験を行い、結果を得た。 1.タグ(eGFP、FLAGなど)を付加したタイト結合膜蛋白を発現するベクターの構築;タイト結合を構成する膜蛋白、occludin、claudin-1、claudin-4、JAM-A、tricellulinのcDNAをPCR-サブクローニンクし、eGFPやFLAGと融合蛋白を発現するプラスミドベクターを作成した。またタイト結合関連蛋白としてZO-1についてもGFPとの融合蛋白発現ベクターを作成した。 2.タイト結合膜蛋白のジスルフィド結合の検討;融合蛋白を還元条件、非還元条件でウエスタン解析した。その結果、細胞にストレスがかかった状態ではoccludinは蛋白内にジスルフィド結合を形成することが確認された。またジスルフィド結合の有無や存在部位は細胞種により差が見られた。claudin-4、tricellulinに関しては、ジスルフィド結合は確認できなかった。 3.システイン-アラニン変異蛋白の発現、検討:eGFP-occludinもしくはoccludin-FLAG融合蛋白のシステイン部位を各々アラニンに変換した変異蛋白を発現する変異ベクターを作成した。occludin-FLAG融合変異蛋白については、ヒト卵巣癌細胞株AMOC2にベクターを導入し、変異蛋白を安定発現する細胞株を樹立した。
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