2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍の発生と発育・進展過程に関わるマイクロRNAの意義-病理組織切片による解析
Project/Area Number |
22590339
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
稲田 健一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (70246081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 泰嘉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10546229)
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Keywords | microRNA199a / in situ hybridization / LNA/DNAオリゴプローブ / tyramide / 病理組織切片 / 胃癌 / Egr1 / Brm |
Research Abstract |
本年度は以下の検討を行った. 1. 昨年度までの解析に基づき,クロマチン変換因子BrmがmiR-199a-5p,-3pの標的遺伝子の候補のひとつであることを見出した.一方,miR-199a制御因子としてEgr1が存在する.これらを総合した結果,miR-199a,Egr1,Brmの3因子がdouble negative feedback制御を形成するとの結論を得た. 2. 今年度は,外科的切除ヒト胃癌症例77例(腺癌)のホルマリン固定パラフィン包埋病理組織切片を対象に,1に関して検討した.方法としては,miR-199a-5p,-3p(以下5p,3p)のin situ hybridization(ISH)法および連続切片におけるBrmの免疫染色を行い比較検討した. 3. 胃癌症例77例の全例が,5p,3pのいずれも陰性であった. 4. Brmは52/77例(68%)で発現低下がみられ,その傾向は低分化腺癌でより顕著であった(59%) 5. 3の原因として,プローブ劣化による可能性が第一に考えられるため再度検討を試みる予定であったが,これまで用いてきたプローブ(Thermo Scientific 社に受注)が入手できなくなったため,新たなLNA/DNAオリゴプローブを他社(Exiqon 社)に受注した. 6. miR-199a強制発現細胞株(陽性対照)と,陰性対照細胞株のホルマリン固定セルブロック標本を作製し,新規プローブの濃度,proteinase前処理,ハイブリダイズ温度など染色条件の検討を試みたが,現時点では良好な染色結果が得られていない. 7. 新規プローブとmiR-199aのハイブリが成功しているか否かに関して検索したところ,ハイブリ自体がうまくいっていないことが判明した(蛍光顕微鏡による観察). 8. 現在,プローブ提供企業と原因に関し協議中であり,かつ新たなプローブの設計にも着手している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初用いていたプローブが提供企業の事情で入手できなくなり(受注ならびに製造中止),新たに別の企業に新規プローブを作製依頼したが,そのプローブを用いた解析がうまく機能していない.
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Strategy for Future Research Activity |
1.まず,新しくでデザインしたmiR-199aに対する新規プローブで,陽性,陰性対照のセルブロック標本を対象とした染色条件を検討する. 2.その結果を踏まえて,実際のヒト癌症例サンプルを用いた解析を行う.対象とするmiRNAの幅も広げる(miRNA21など).
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Research Products
(1 results)