2011 Fiscal Year Annual Research Report
食道上皮におけるALDH遺伝子型とテロメア長および染色体不安定性の関連について
Project/Area Number |
22590343
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
泉山 七生貴 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 助手 (10158751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲村 賢一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60159069)
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Keywords | テロメア / ALDH / Q-FISH / 食道 |
Research Abstract |
今年度は、アルコール、アルデヒド代謝酵素(ALDH1B,ALDH2)のgenotype、内視鏡ヨード染色による不染帯の大きさや多発の有無、喫煙とテロメア長について検討しました。【材料と方法】アルコール症患者食道の径5mm以上の不染帯から生検した組織において高度異型上皮と癌の症例を除きQ-FISH法によりテロメア長測定を行い、ALDH1BとALDH2のgenotypeなど前期の所見と比較解析しました。Q-FISH法は、食道生検パラフインブロックからFISH用組織切片を作製し、切片を蛍光色素でラベルしたPNAプローブを用いてFISHを行いました。標本は撮影用ソフトImage Pro Plus ver.7.0を用いて撮影し、独自に開発したテロメア長ソフト(Tissue Telo Ver.3.1)を用いてTCRを求めることによりテロメア長を解析・比較しました。各症例ごとに約500細胞(各細胞群ごとに約150-200細胞)の解析を行いました。【結果】テロメア長はALDH1B、ALDH2のgenotypeで有意差が有りませんでした。不染帯径10mm以上、多発不染帯例のテロメア長は有意に短縮していました。 また喫煙指数が800以上では800以下の群よりも短縮していました。【結論】アルコールは代謝酵素のgenotypeに関わりなく、アルコールの多飲はテロメア長を短縮させることが証明されました。アルコール症患者には食道扁平上皮癌が好発することから、食道上皮の10mm以上のヨード不染帯や不染帯の多発は癌の発生に関与している可能性が示されました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内視鏡所見によるヨード不染帯や不染帯の多発が癌の発生に関与している可能性が示されたことが、今年度の大きな研究成果です。
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Strategy for Future Research Activity |
未実験を行い、結果のまとめと統計学的検討を引き続き行います。 そして学会発表を行い、ALDH遺伝子とテロメア長および染色体不安定性についての英文論文を発表します。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Accelerated in vivo epidermal telomere loss in Werner syndrome2011
Author(s)
Ishikawa N, Nakamura K, Izumiyama-Shimomura N, Aida J, Ishii A, Goto M, Ishikawa Y, Asaka R, Matsuura M, Hatamochi A, Kuroiwa M, Takubo K.
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Journal Title
Aging
Volume: 3
Pages: 417-429
Peer Reviewed
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