2012 Fiscal Year Annual Research Report
食道上皮におけるALDH遺伝子型とテロメア長および染色体不安定性の関連について
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22590343
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
泉山 七生貴 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 助手 (10158751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲村 賢一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60159069)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | テロメア / 食道 / 扁平上皮癌 / ALDH2 / ADH1B / Q-FISH |
Research Abstract |
我々独自のテロメアQ-FISH法を用いることで、口腔や食道の上皮内癌例では正常上皮と比較して発生母地の段階から既に過度のテロメア短縮があり、染色体の不安定性が存在することを証明してきた。今回は過度のテロメア短縮を引き起こす原因の究明を行なうため、食道癌の好発に関連するアルコールの代謝酵素(ADH1BおよびALDH2)の遺伝子型ごとのテロメア長の検討を試みた。独立行政法人国立病院機構久里浜アルコール症センターにおけるアルコール多飲者のヨード不染帯から得られた非癌部食道生検組織を用いてテロメア長の解析を行ない、癌の好発する遺伝子型とテロメア長との関係を検討した。内視鏡所見や喫煙についても検討した。 その結果、アルコール症症例のテロメア長平均値は非アルコール症対照群のテロメア長よりも有意に短縮していた。しかし、アルコール代謝酵素の遺伝子型については、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2*1/*1=active)および(ALDH2*1/*2=inactive)各群、またアルコール脱水素酵素(ADH1B*1/*2 or *2/*2=active)および(ADH1B*1/1=less active)の各群で比較しても有意な差は見られなかった。一方内視鏡所見ではヨード不染帯の大きさが小さい(<10mm)よりも大きい(>=10mm)群、不染帯が多発していない(内視鏡1視野で10個未満)群よりも多発している(1視野で10個以上)例で有意にテロメアの短縮が見られた。喫煙については有意な結果が得られなかった。 以上より、今回の検討では検討対象をアルコール多飲者としたためにアルコールの多飲によりテロメアが既に過度の短縮を生じていて差が明らかにならなかった可能性、ヨード不染帯からの生検を用いていることから、ヨード不染帯という所見が既にテロメア短縮を来した状態である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)